セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-診断1

タイトル 消P-314:

経口腸管洗浄液を用いたバリウム注腸X線造影検査による大腸病変の検出

演者 松永 篤志(慶應義塾大・外科)
共同演者 長谷川 博俊(慶應義塾大・外科), 石井 良幸(慶應義塾大・外科), 遠藤 高志(慶應義塾大・外科), 落合 大樹(慶應義塾大・外科), 岡林 剛史(慶應義塾大・外科), 星野 大樹(慶應義塾大・外科), 星野 好則(慶應義塾大・外科), 瀬尾 雄樹(慶應義塾大・外科), 星野 剛(慶應義塾大・外科), 茂田 浩平(慶應義塾大・外科), 中村 祐二朗(慶應義塾大病院・放射線診断科), 杉野 吉則(慶應義塾大病院・放射線診断科), 北川 雄光(慶應義塾大・外科)
抄録 【目的】バリウム注腸X線造影検査に対する前処置法としてはブラウン変法が主流であるが、前日からの食事制限や複数回の下剤服用など、患者に大きな負担を与え、また、便塊の残存により検査精度に問題があるのが現状である。一方で、経口腸管洗浄液を用いた前処置法は、前日からの絶食や下剤服用などの前日処置が不要であり、検査当日の絶食で検査を行い、良好な画像が得られる方法として臨床的有用性が高いと考えられる。今回われわれは、経口腸管洗浄液を用いた前処置法による注腸検査の大腸病変検出能について検討することを目的とした。【方法】2010年4月から2011年3月までの間で、当院において、大腸癌または大腸ポリープを有し、将来治療を予定している患者65名(男性49名、女性16名、年齢の中央値62.5歳)を対象とし、経口腸管洗浄液を用いた注腸検査および大腸内視鏡検査を実施した。それぞれの画像を比較検討し、経口腸管洗浄液を用いた注腸検査による病変の検出能を評価した。【結果】注腸検査の総病変数は119個(中央値1)であり、大腸内視鏡検査の総病変数は84個(中央値1)であった。5mm以上のポリープの場合では、注腸検査では52個、大腸内視鏡検査では57個のポリープを検出し、注腸検査の正診率としては0.85、偽陽性率は0.08、偽陰性率は0.11であった。また、部位別の正診率としては盲腸・上行結腸において0.75、横行・下行結腸において0.93、S状結腸において0.85、直腸において1.0であった。【結論】経口腸管洗浄液を用いた前処置法による注腸検査の大腸病変検出は高い正診率を得ることができ、また、ブラウン変法の問題点として挙げられた、残渣による過剰診断は少なくなるものと考えられた。
索引用語 バリウム注腸, 経口腸管洗浄液