セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-診断2

タイトル 消P-316:

PET/CTにおけるSUVmaxと大腸腫瘍の有無及び性質との関連

演者 平川 智子(岡山大病院・消化器内科)
共同演者 加藤 順(和歌山県立医大・2内科), 山本 和秀(岡山大病院・消化器内科)
抄録 【背景】PET/CT検査の下部消化管領域に対する有用性の報告が散見されており我々の検討でも、診断能(5mm以上;感度36%、特異度98%、正診率92%、11mm以上;感度85%、特異度97%、正診率97%)、偽陰性因子(サイズ11mm未満、平坦病変)の結果が得られている。しかしPET陽性の基準については、現時点では視覚的に生理学的集積を除いて陽性と決められる事が多く、SUVmaxを用いた明確な基準の報告は少ない。【目的】PET陽性部位において、大腸腫瘍の有無及び性質とSUVmaxとの関連について検討する事。【対象】2006年4月から2010年1月の間にPET/CT(岡山画像診断センター)を受けた7014例のうち、当院で大腸内視鏡(CS)を受け、両検査を1年以内に施行した492例。【方法】大腸をcecum、ascending、transverse、descending、sigmoid、rectumの6か所に分けた計2952部位のうちPET陽性と判断された157部位に関する検討を行った。それぞれCSをgold standardとしPET/CTとの比較検討を行った。PET/CTは2名の医師で読影し、背景よりも高集積で、CTで生理学的集積と分別可能な限局した高集積部位をPET陽性とした。それぞれSUVmaxを測定しCSにより腫瘍の有無、性質の関連を検討した。【結果】PET陽性部位は計157部位で、そのうち腫瘍有り群をA(98部位)、腫瘍無し群をB(59部位)とした。A群でSUVmax=11.9±7.0、B群ではSUVmax=6.6±2.4と、有意差が認められた(p<0.0001)。ROC曲線を用いたカットオフ値はSUVmax=8.4であり、PET陽性部位でこのカットオフ値用いた場合、感度65%、特異度86%、正診率73%であった。A群のうち悪性病変群をA1(62部位)、非悪性病変群をA2(36部位)としてサブ解析を行ったところ、A1群でSUVmax=13.7±7.4、A2群ではSUVmax=8.7±5.1であり、有意差が認められた(p=0.0001)。【結論】PET/CTは臨床的に重要な大腸病変に関して良好な感度・特異度を示し、大腸腫瘍発見に相応の意義があるが、偽陽性である事も多い。SUVmaxの値は腫瘍の有無,悪性病変の有無と相関し,精度の向上に寄与するものと考えられた。
索引用語 PET, 大腸腫瘍