セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸-診断2 |
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タイトル | 消P-319:慢性下痢症状の原因におけるcollagenous colitisの頻度の検討 |
演者 | 松原 悠(札幌東徳洲会病院・消化器内科) |
共同演者 | 太田 智之(札幌東徳洲会病院・消化器内科), 芹川 真哉(札幌東徳洲会病院・消化器内科), 川内 宏仁(札幌東徳洲会病院・消化器内科), 好崎 浩司(札幌東徳洲会病院・消化器内科), 坂本 淳(札幌東徳洲会病院・消化器内科), 網塚 久人(札幌東徳洲会病院・消化器内科), 木村 圭介(札幌東徳洲会病院・消化器内科), 古川 滋(札幌東徳洲会病院・IBDセンター), 前本 篤男(札幌東徳洲会病院・IBDセンター), 折居 史佳(札幌東徳洲会病院・IBDセンター), 蘆田 知史(札幌東徳洲会病院・IBDセンター) |
抄録 | 【目的】慢性下痢症状の原因の一つとして,microscopic colitisが認知されており,大きく分けてcollagenous colitisとlymphocytic colitisに分類されている.しかしながら,本邦での慢性下痢症例に占めるmicroscopic colitisの報告はまだ少ないのが現状である.今回,当院にて経験した慢性下痢症例におけるmicroscopic colitisの頻度を,collagenous colitisに焦点を当てて検討する.【方法】2007年11月から2011年2月の期間に,1か月以上続く血便のない慢性下痢症例を対象に当院で全大腸内視鏡検査を行い,その際に肉眼的内視鏡所見の有無に関わらず上行結腸,横行結腸,直腸から各々1か所ずつ生検を行い,その結果からmicroscopic colitisの頻度を検討した.【成績】症例は21歳から80歳までの50例(男31例,女19例,平均年齢47.3歳)であった.そのうち生検結果からcollagenous colitisと病理学的に診断された症例は5例(男2例,女3例,平均年齢61.8歳)で全体の10%であった.また,血管透見不良・粘膜肥厚などの内視鏡所見を認めた症例は10例であり,そのうちcollagenous colitisと診断された症例は2例であった.原因としてあげられる薬剤としてPPIを内服していた症例は3例,NSAIDsを内服していた症例は3例であった(重複あり).なお他にはIntestinal spirochetosisと診断された症例が1例あったのみで,他の症例は明らかな原因を指摘されていない.lymphocytic colitisは病理学的に診断されなかった.【結論】慢性下痢症例を対象に行った全大腸内視鏡検査から,collagenous colitisを指摘された症例は全体の10%であった.microscopic colitisは内視鏡所見が乏しく,生検しなければ診断は容易ではないとされているが、その反面微細な内視鏡変化をきたしている症例もあり、慢性下痢の原因としてmicroscopic colitisを十分認知する事が重要である. |
索引用語 | collagenous colitis, microscopic colitis |