セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

潰瘍性大腸炎1

タイトル 消P-320:

アザチオプリン/6-メルカプトプリン投与時におけるTaqMan probeを用いたチオプリン体代謝酵素一塩基多型の迅速診断法

演者 大崎 理英(滋賀医大・消化器内科)
共同演者 安藤 朗(滋賀医大大学院・感染応答・免疫調節部門(消化器免疫)), 伴 宏充(滋賀医大・消化器内科), 今枝 広丞(滋賀医大・消化器内科), 馬場 重樹(滋賀医大・消化器内科), 塩谷 淳(滋賀医大・消化器内科), 青松 友槻(滋賀医大附属病院・光学医療診療部), 稲富 理(滋賀医大・消化器内科), 佐々木 雅也(滋賀医大・栄養治療部), 辻川 知之(滋賀医大・総合内科), 斎藤 康晴(滋賀医大附属病院・光学医療診療部), 藤山 佳秀(滋賀医大・消化器内科)
抄録 【背景】近年、炎症性腸疾患患者に対するアザチオプリン(AZA)/6-メルカプトプリン(6-MP)といった免疫調節剤の使用頻度が増し、その副作用の白血球減少が重要視されている。AZA/6-MP使用による白血球減少頻度は欧米人に比べアジア人で極めて高く、本邦における投与量は欧米に比較して低く設定されている。我々はその原因がMRP4,TPMT,ITPaseといったチオプリン体代謝酵素の一遺伝子多型(SNP)にあることを報告してきた。
【目的】MRP4,TPMT,ITPaseのSNPを迅速診断し、AZA/6-MPの投与量や必要な経過観察期間の設定を迅速に可能にする検査を確立する。
【方法】対象患者よりgenomic DNAを採取、MRP4 (rs3765534),TPMT (rs1142345),ITPase (rs1127354)のSNPsをTaqMan Probe法およびDirect sequence法にて解析した。
【結果】TaqMan Probe法にて解析したSNPsはDirect sequence法と同じ結果であり、採血後約2時間での迅速診断が可能であった。
【結語】TaqMan Probe法はSNP解析を迅速容易にした。MRP4 SNPとITPase SNP両方に変異があればAZA/6-MPの通常投与、MRP4 SNPの変異ありITPase SNP変異がない患者には慎重投与し頻回に血中6-TG濃度の経過観察、TPMT SNP変異を有する患者は投与すべきでない。TaqMan Probe法でSNPの変異を迅速診断することでAZA/6-MP投与開始時に投与量や経過観察期間の設定を反映でき、より安全に治療を行うことができると考えられる。
索引用語 inflammatory bowel disease, SNP