セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
潰瘍性大腸炎1
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タイトル |
消P-323:炎症性腸疾患患者における骨代謝マーカー測定の検討
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演者 |
松岡 宏樹(兵庫医大・炎症性腸疾患センター) |
共同演者 |
内野 基(兵庫医大・炎症性腸疾患センター), 坂東 俊宏(兵庫医大・炎症性腸疾患センター), 池内 浩基(兵庫医大・炎症性腸疾患センター), 竹末 芳生(兵庫医大・感染制御学), 松本 譽之(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 冨田 尚裕(兵庫医大・外科(下部消化管外科)) |
抄録 |
炎症性腸疾患(IBD)では低栄養,吸収障害,活動期病変,ステロイド使用などを理由に骨塩,骨密度が減少することが知られている.今回,IBD手術患者を対象に骨密度,骨代謝マーカーを検討した.【方法】2010年9月以降のIBD待機手術患者を対象に,骨密度(腰椎DXA法で%YAM80%未満を骨密度低下とした),血清骨代謝マーカー(NTX:( I 型コラーゲン架橋N-テロペプチド,ucOC:低カルボキシル化オステオカルシン)を測定し,ステロイド治療,Crohn’s disease activity index(CDAI)との相関を検討した.【結果】潰瘍性大腸炎(UC)37人,クローン病(CD)18人で検討を行い,ステロイド使用はUC89%,CD17%であり,CDAIは243.5±24.0であった.骨密度はUC19%,CD0%に低下を認め,ステロイド使用UCでは23%に低下を認めた.NTXはUC30%,CD39%,ucOCはUC35%,CD28%で上昇していた.骨代謝マーカーとステロイド総投与量の相関はなく,術前ステロイド投与量≧7.5mgでのみ有意にucOCが上昇していた(p=0.02).検討症例では病的骨折はなく,ステロイド使用有無(p=0.1),総投与量(p=0.9),CDAI(p=0.3)と骨密度の相関は認めなかった.【考察】IBDでは骨代謝回転が亢進することが知られており,待機手術患者では比較的高率に亢進が見られたが,骨密度低下は多くなかった.今後,緊急手術も含めた症例の蓄積を行い,IBDでの骨代謝異常を明らかにするとともに,術後の治療の是非についても検討が必要である. |
索引用語 |
炎症性腸疾患, 骨代謝マーカー |