セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

潰瘍性大腸炎1

タイトル 消P-324:

潰瘍性大腸炎におけるシアル酸測定意義の探索的検討

演者 中川 太一(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科)
共同演者 西山 竜(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 久野木 直人(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 大久保 理恵(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 赤井 祐一(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 大谷 豪(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 小川 眞広(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 中島 典子(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 田中 直英(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 森山 光彦(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科)
抄録 【目的】シアル酸はノイラミン酸の誘導体であり糖蛋白、糖脂質の糖鎖成分の一部として生体に広く分布している。血清中では急性相反応物質と結合して存在し炎症性疾患で高値を示すことが知られている。炎症評価においてCRP、赤沈値が汎用されるが、治療後の評価においてしばしば内視鏡所見、臨床所見と血液検査データとの間に解離がみられる。今回我々は、活動期および寛解期の潰瘍性大腸炎(UC)症例に対しシアル酸を測定し、CAI、血液検査データ、内視鏡検査所見を比較し、病勢の把握に有用であるかについて検討を行った。【対象および方法】対象は駿河台日本大学病院において、2005年から2010年までにステロイド併用アダカラム治療がおこなわれたUC活動期13症例、及び6カ月以上にわたり臨床的に寛解しているUC11症例とした。なお本検討ではlichtigerのCAI4点以下を寛解の定義とした。対象症例のPDMP値とCAI、白血球数、CRP、赤沈60分値および下部消化管内視鏡検査所見(MATTS分類)との比較を行った。【結果および考察】活動期、寛解期におけるシアル酸値は臨床症状、血液検査データ、内視鏡検査所見とある程度の相関を持って評価できた。寛解期UC症例では活動期UC症例よりもシアル酸値は低値を示した。このことからシアル酸値はUCの病勢を現わすと考えられた。しかし局所的に炎症を残すUC症例に対するシアル酸の評価については、もう少し検討の余地があると思われた。症例のさらなる集積が必要であるが、シアル酸は今後治療効果判定や、再燃の初期での拾い上げに有用なマーカーになることが期待される。
索引用語 シアル酸, 潰瘍性大腸炎