セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

潰瘍性大腸炎2

タイトル 消P-333:

難治性潰瘍性大腸炎におけるcytomegalovirus再活性化例の検討

演者 丸山 悠里子(慶應義塾大病院・消化器内科)
共同演者 松岡 克善(慶應義塾大病院・消化器内科), 岩男 泰(慶應義塾大病院・内視鏡センター), 矢島 知治(慶應義塾大病院・消化器内科), 井上 詠(慶應義塾大病院・内視鏡センター), 久松 理一(慶應義塾大病院・消化器内科), 筋野 智久(慶應義塾大病院・消化器内科), 高林 馨(慶應義塾大病院・消化器内科), 米野 和明(慶應義塾大病院・消化器内科), 三上 洋平(慶應義塾大病院・消化器内科), 三好 潤(慶應義塾大病院・消化器内科), 水野 慎大(慶應義塾大病院・消化器内科), 木村 佳代子(慶應義塾大病院・消化器内科), 金井 隆典(慶應義塾大病院・消化器内科), 緒方 晴彦(慶應義塾大病院・内視鏡センター), 日比 紀文(慶應義塾大病院・消化器内科)
抄録 【目的】潰瘍性大腸炎(UC)の難治化にサイトメガロウイルス(CMV)が関与している可能性が指摘され, さまざまな検討がされている. しかし, どのような場合にUCに合併したCMV感染を治療しなくてはいけないのかという点については, 一定のコンセンサスは得られていない. 本研究では, 大腸組織生検でCMV免疫染色陽性のUC患者の予後を検討することで, 腸管局所でのCMV免疫染色陽性が抗CMV療法開始の指標となり得るかを検討した.【方法】当院で2009年7月から2010年2月までに入院加療を必要とした活動期のUC患者59名を対象とした. 大腸生検組織を用いて, 免疫染色によりCMV感染の有無を評価した.【成績】入院加療を要した59名のUC患者のうち46名がCMV IgG陽性であり, 13名がCMV IgG陰性であった. CMV IgG陽性46名のうち, 9名(19.6%)が免疫染色陽性であった. これら9名のうちCMV Ag(1-21値)は6名で陽性であった. 9名のうち抗ウイルス療法を行ったのは3名であり, 1名は著効, 1名は手術, 1名はウイルスは消失したが, 症状の改善をみとめず6ヵ月後に手術となった. 抗ウイルス療法を行わなかった6名(66.6%)に関しては, 通常のUCの治療(FK506 3名, PSL 2名, CsA 1名)を行い, いずれも症状の改善を認めた.【結論】UCにおける腸管局所でのCMV感染陽性症例であっても, ほとんどの症例では抗ウイルス療法は必要ではなく, UCの治療を行うことで症状の改善がみられた.免疫組織でのCMV陽性のみでは, 抗ウイルス療法開始の指標とはなり得ないと考えられる.
索引用語 サイトメガロウイルス, 潰瘍性大腸炎