セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

潰瘍性大腸炎3

タイトル 消P-335:

高齢者の難治性潰瘍性大腸炎患者の検討

演者 米沢 麻利亜(東京女子医大病院・消化器病センター消化器内科)
共同演者 飯塚 文瑛(東京女子医大病院・消化器病センター消化器内科), 伊藤 亜由美(東京女子医大病院・消化器病センター消化器内科), 中尾 絵美子(東京女子医大病院・消化器病センター消化器内科), 合阪 暁(東京女子医大病院・消化器病センター消化器内科), 大森 鉄平(東京女子医大病院・消化器病センター消化器内科), 白鳥 敬子(東京女子医大病院・消化器病センター消化器内科)
抄録 【目的】高齢者の難治性潰瘍性大腸炎患者(UC)は合併症も多く、治療法の選択や手術のタイミングにしばしば難渋する。今回、我々は当院で経験した高齢者難治性UCの適切な治療選択・時期について検討した。【方法】当院において2003年5月から2011年2月の間に、腸炎の増悪にて入院した難治性UC129人(計159回入院)のうち、65歳以上の高齢者10人(計19回入院)を対象とした。症例の内訳は、男性6人、女性4人で、年齢は65歳~80歳(平均73.2歳)、発症時年齢51~74歳(平均62.8歳)、病型は初回発作型が2人、再燃寛解型が8人、罹病期間は0ヶ月~25年、罹患範囲は全大腸炎型8人、左側大腸炎型2人であった。内視鏡像の特徴、重症度、合併症、治療、転帰などについて検討した。【成績】内視鏡像の特徴としては、樹枝状・地図状潰瘍4人、打ち抜き潰瘍3人、広範な潰瘍2人、幅広の縦走潰瘍1人であり、重症度は中等症5人、重症5人であった。合併症は骨粗鬆症、糖尿病、高血圧、脳梗塞、心・肺・肝・腎疾患、深部静脈血栓症、白内障・緑内障、関節リウマチ、痴呆などであった。寛解導入治療はPSL10人、CAP2人、Infliximab 1人、Tacrolimus 1人、CsA3人、手術2人で、転帰は軽快16人、転院1人、手術2人であった。その後の経過としては死亡症例を2人認め、1人は内科的治療が無効で手術となり、術後2カ月で全身状態不良となり入院中に死亡、1人は軽快退院したが、その後colitic cancer併発したため手術となり、退院3年後に脳梗塞で死亡した。【結論】近年高齢化がすすんでおり、今後高齢者難治性UCの増加が予想される。若年者と比較し合併症も多いため、適切かつ迅速な診断・治療を行うことが重要と考えられた。
索引用語 潰瘍性大腸炎, 高齢者