セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

潰瘍性大腸炎3

タイトル 消P-339:

潰瘍性大腸炎に対するph依存型メサラジンの治療成績

演者 熊谷 奈苗(北野病院・消化器センター消化器内科)
共同演者 吉野 琢哉(北野病院・消化器センター消化器内科), 廣橋 研志郎(北野病院・消化器センター消化器内科), 牟田 優(北野病院・消化器センター消化器内科), 西川 義浩(北野病院・消化器センター消化器内科), 渡辺 昌樹(北野病院・消化器センター消化器内科), 佐久間 洋二朗(北野病院・消化器センター消化器内科), 小田 弥生(北野病院・消化器センター消化器内科), 加藤 洋子(北野病院・消化器センター消化器内科), 工藤 寧(北野病院・消化器センター消化器内科), 藤田 光一(北野病院・消化器センター消化器内科), 山内 淳嗣(北野病院・消化器センター消化器内科), 高 忠之(北野病院・消化器センター消化器内科), 大橋 真也(北野病院・消化器センター消化器内科), 淺田 全範(北野病院・消化器センター消化器内科), 福永 豊和(北野病院・消化器センター消化器内科), 川口 清隆(北野病院・消化器センター消化器内科), 八隅 秀二郎(北野病院・消化器センター消化器内科)
抄録 【目的】メサラジンは比較的副作用が少なく、軽症から中等症の潰瘍性大腸炎(UC)に対する内科治療の中心である。今回、新たにph依存型メサラジンを開始したUC症例の治療成績につき検討した。【対象と方法】対象は2009年12月から2011年3月までに当科においてph依存型メサラジン投与を行ったUCの20症例。患者背景は年齢中央値:55歳(25-73歳)、平均観察期間:34週間(5~62週間)、全結腸炎型8例/左側結腸炎型7例/直腸炎型5例、活動期14例/寛解期6例。活動期症例には3.6g、寛解期症例には2.4gを開始量とした。UCの活動性の評価はCAIscore(Modified-Truelove witts score)にて評価した。(4点以下を寛解とした)【結果】活動性UC14例中12例が従来型メサラジンからの変更例であった。14例中8例(57%)で寛解導入した。寛解導入した8例の開始前UCAIは平均8点、8週間後のUCAIは平均1.5点であった。寛解導入可能例と困難例で開始前UCAIや内視鏡所見の重症度に差はなかった。寛解導入もしくは維持可能であった14例中1例で再燃を認めた。開始時に坐剤もしくは注腸を併用していた症例は20例中5例であったが、うち4例(80%)で離脱可能であった。罹患範囲別では、直腸炎型では5例中5例(100%)、左側結腸炎型では7例中5例(71%)、全結腸炎型では8例中3例(37%)で寛解導入もしくは維持が可能であった。【まとめ】ph依存型メサラジンは特に直腸炎型および左側結腸炎型で従来型メサラジンに比べ、有効である事が示唆された。また坐剤・注腸使用例の多くが離脱可能であった点もコンプライアンス向上につながる利点と考えられた。
索引用語 潰瘍性大腸炎, アサコール