セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

潰瘍性大腸炎4

タイトル 消P-346:

重症潰瘍性大腸炎(UC)に対するシクロスポリン(CsA)持続静注療法施行時の手術予測因子の検討

演者 齊藤 景子(千葉大附属病院・消化器内科)
共同演者 勝野 達郎(千葉大附属病院・消化器内科), 佐塚 小百合(千葉大附属病院・消化器内科), 齊藤 昌也(千葉大附属病院・消化器内科), 古矢 裕歩子(千葉大附属病院・消化器内科), 松村 倫明(千葉大附属病院・消化器内科), 中川 倫夫(千葉大附属病院・消化器内科), 佐藤 徹(千葉大附属病院・消化器内科), 新井 誠人(千葉大附属病院・消化器内科), 横須賀 收(千葉大附属病院・消化器内科)
抄録 【目的】重症UCに対するステロイド強力静注療法施行時に、fulminant colitis index(FCI)が8点以上である場合手術を要する確率が高いと報告されている。しかし、CsA持続静注療法施行時における手術予測因子は明らかになっていない。今回、FCI、Oxford index(OI)、Edinburugh index(EI)などステロイド強力静注療法において用いられている予測式がCsA持続静注療法にも適応できるか、また、他の予測因子が存在するか後向きに検討した。
【方法】2004年10月から2011年3月までに当院に入院し、CsA持続静注療法を行った重症潰瘍性大腸炎51例(男性18例、女性33例)を対象とした。CsA投与開始日と投与開始48~72時間後(Day3)の採血結果、Lichtiger’s CAI値、FCI、OI、EIを対象に解析を行った。
【結果】51例中35例(68.6%)が寛解し、16例(31.3%)で手術を要した。FCI、OI、EIはCsA持続静注療法施行時の手術予測因子としての有効性は証明できなかった。ロジスティック回帰分析を行い、「Day3のCAI値」、「投与開始日とDay3の血清Alb値(g/dl)の差(ΔAlb)」の2項目が予後予測項目として抽出され、1/{1+e (9.735-0.696x「Day3のCAI値」+2.246x「ΔAlb」) }>0.5の時、有意に手術療法を要するとの手術予測式が得られた。本予測式の予測正確性を検証すると、陽性的中率75%、陰性的中率88.6%、正診率84.3%と良好な成績を認めた。
【結論】重症潰瘍性大腸炎のCsA持続静注療法においてDay3のCAI値、ΔAlbから手術予測ができ、高い正診率を認めた。本予測式を用いて手術療法が予測された場合、全身管理により重点を置いた治療を施行しつつ、早期から内科・外科間の診療連携をはかることができる。
索引用語 潰瘍性大腸炎, 手術予測