セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

潰瘍性大腸炎5

タイトル 消P-348:

当院における潰瘍性大腸炎へのインフリキシマブ使用経験

演者 垂水 研一(川崎医大・消化管内科)
共同演者 石井 学(川崎医大・消化管内科), 松本 啓志(川崎医大・消化管内科), 鎌田 智有(川崎医大・消化管内科), 塩谷 昭子(川崎医大・消化管内科), 内野 基(兵庫医大・外科(下部消化管外科)), 池内 浩基(兵庫医大・外科(下部消化管外科)), 春間 賢(川崎医大・消化管内科)
抄録 【目的】当院において6例の難治性潰瘍性大腸炎患者に対して寛解導入目的にインフリキシマブ(IFX)を投与した。その治療成績を評価するため臨床的に検討を行った。【方法】2009年~2011年3月までに当院にてIFXを投与した潰瘍性大腸炎6例(保険適応前症例:2例)を対象に患者背景、治療成績、安全性について遡及的に検討した。IFXは全例5mg/kgを0、2、6週に投与し、引き続き8週間隔で計画的維持投与を行った。臨床的評価は治療開始から22週~23週(IFX5回投与後)の時点で行った。【成績】潰瘍性大腸炎6例は男性4例、女性2例、平均年齢39.5歳、病型は全例が全大腸炎型であった。IFX投与前後のサイトメガロウイルス腸炎合併の評価(血中アンチゲネミア、組織中のウイルス抗原免疫染色)ではすべて陰性であった。IFX投与により寛解または有効となった症例はそれぞれ2例(2/6;33.3%)で、残りの2例には効果なく、うち1例は待機的手術となった。IFXの有害事象はinfusion reactionを含め認められなかった。しかし、1例(有効例)において治療14ヵ月後に直腸のhigh grade dysplasiaが発見され大腸全摘術が施行された。【結語】当院における難治性潰瘍性大腸炎のIFX寛解導入効果は33.3%の症例に有効であった。1例にIFX導入後のhigh grade dysplasia出現が認められた。IFX治療を導入した潰瘍性大腸炎に対するcolitic cancerのサーべイランスに関しては今後更なる検討が必要である。
索引用語 潰瘍性大腸炎, インフリキシマブ