セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

潰瘍性大腸炎5

タイトル 消P-350:

Infliximabによる潰瘍性大腸炎緩解導入療法の初期経験の報告

演者 高橋 裕司(岐阜赤十字病院・消化器内科)
共同演者 松下 知路(岐阜赤十字病院・消化器内科), 杉江 岳彦(岐阜赤十字病院・消化器内科), 宮崎 恒起(岐阜赤十字病院・消化器内科), 伊藤 陽一郎(岐阜赤十字病院・消化器内科), 名倉 一夫(岐阜赤十字病院・消化器内科), 後藤 裕夫(岐阜赤十字病院・放射線科)
抄録 【はじめに】2010年6月に潰瘍性大腸炎(UC)に対するInfliximab(IFX)投与が認可され、今後UCに対しても生物学的製剤の有効性が期待されている。今回緩解導入目的にIFX投与を行ったUC6例の臨床的経験を報告する。【対象】全大腸炎型6例(ステロイド依存5例、未治療1例)。IFXの投与法は5mg/kgを0,2,6週で投与し以後8週毎の投与とした。【症例と経過】CASE1.男性 18歳 罹病期間3.5年 5ASA製剤にアレルギーがあり、AZP/6MPで副作用を認めPSL10-20mg/日で緩解維持継続していた。再燃に対しIFX投与を行い緩解。CASE2.女性28歳 罹病期間7.5年、過去の重症期にCyclosporin、CAP療法での治療歴あり。5ASAで緩解維持していたが、再燃にてPSL+IFXを施行した。投与後症状は一時軽快するも効果不十分と判断しTacrolimus追加投与し緩解となる。 CASE3. 女性47 歳 罹病期間3年 AZP不応例。5ASAにて緩解維持していたが、再燃に対しPSL+IFX投与し緩解となる。CASE4.男性50歳 罹病期間6年 PSL投与ののちAZP単独投与で2年間緩解維持していた。再燃に対しPSL+IFX投与にて緩解を得た。  CASE 5.女性 47歳 罹病期間3年。5ASAにアレルギーを認め自己判断で未治療状態であった。重症型で再燃しステロイド静注療法(7days)後にIFX+Tacrolimus投与を併用し緩解。CASE6.女性 28歳 罹病期間10年。PSL(10-20mg)+5ASAにて維持療法。IFX投与で軽快する。【結果】6例ともIFX投与に伴う重大な副作用は認めず全例で臨床症状の軽快を認めた。導入後は5例でステロイド減量/offが可能であった。IFX+Tacrolimus投与例を2例経験したが重篤な副作用は認めなかった。【結語】ステロイド依存性UCに対しIFXによる緩解導入療法は有効でステロイドの減量/中止が期待し得た。またIFX投与で効果が不十分の場合のTacrolimus併用の有効性も今後検討を行いたい。
索引用語 Infliximab, 潰瘍性大腸炎