セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)潰瘍性大腸炎5 |
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タイトル | 消P-352:難治性潰瘍性大腸炎に対する治療戦略と長期予後~インフリキシマブとタクロリムス・顆粒球除去併用療法との治療成績を比較して~ |
演者 | 水島 隆史(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学) |
共同演者 | 谷田 諭史(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 溝下 勤(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 塚本 宏延(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 尾関 啓司(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 海老 正秀(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 平田 慶和(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 村上 賢治(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 志村 貴也(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 森 義徳(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 片岡 洋望(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 神谷 武(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 城 卓志(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学) |
抄録 | 【背景と目的】難治性潰瘍性大腸炎(UC)に対する新たな治療法にタクロリムス(TAC)、インフリキシマブ(IFX)が加わったが、使用法や有効性に関しては明らかになっていない。今回われわれは、難治性UC に対するTAC+顆粒球除去療法(GMA)とIFXの治療成績を後ろ向きに比較検討し、難治性UC に対する治療戦略と長期予後を検証した。【方法】2009年7月から2011年12月までに当院で難治性中等症・重症UCに対しIFX投与した連続症例9例(IFX投与群:男6名、女3名、平均年齢38.0歳)、TAC+GMA(強化療法)併用療法を施行した連続症例12例(TAC+GMA併用群:男5名、女7名、平均年齢48.4歳)を対象とし、治療開始から3ヵ月後までの寛解率、有効率(Mayo score (DAI))や内視鏡所見(Matts 分類)改善度を検討した。長期予後に関しては、6ヵ月後までのmodified DAI (mDAI) scoreの推移、入院期間および再燃率を検討した。【成績】IFX投与群9例では、寛解率(5/9:56%)、有効率(6/9:67%)および内視鏡所見は、治療前3.1(平均値)→3ヵ月後1.7であった。mDAI scoreは治療前6.0(平均値)→3ヵ月後2.7、6ヵ月後1.4で平均入院期間は7日であり、3ヵ月後に寛解であった5例のうち4例は6ヵ月後も寛解を維持していた。TAC+GMA併用群12例では、寛解率(6/12:50%)、有効率(9/12:75%)および内視鏡所見は、治療前3.2→3ヵ月後1.5であった。mDAI scoreは治療前6.7→3ヵ月後2.2、6ヵ月後1.2であったが、平均入院期間は21日であった。TAC 投与3ヵ月後寛解例6例のうち3例はTAC投与中断後に再燃した。【結論】IFX、TAC+GMA併用療法は難治性中等症・重症UCに対して、ともに高い寛解率・有効率が得られた。治療成績に関しては有意差を認めなかったが、平均入院期間や再燃率から患者のQOLや長期予後においてはIFXのほうが優れていると思われた。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, インフリキシマブ |