セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

潰瘍性大腸炎6

タイトル 消P-354:

当院の潰瘍性大腸炎症例におけるIntensive CAP療法の効果について

演者 合阪 暁(東京女子医大病院・消化器病センター消化器内科)
共同演者 飯塚 文瑛(東京女子医大病院・消化器病センター消化器内科), 伊藤 亜由美(東京女子医大病院・消化器病センター消化器内科), 中尾 絵美子(東京女子医大病院・消化器病センター消化器内科), 大森 鉄平(東京女子医大病院・消化器病センター消化器内科), 米沢 麻利亜(東京女子医大病院・消化器病センター消化器内科)
抄録 【目的】潰瘍性大腸炎(UC)の寛解導入療法は近年内科的治療の選択肢が多様化しており、CAP療法の位置づけは再検討を要している。今回2010年4月1日よりUCに対して週1回の施行であった顆粒球吸着療法(G-CAP granulocytapheresis療法)の週における制限がなくなり、CAP療法の有効な方法論の検討が必要となった。【対象・方法】当院におけるIntensive CAP(2週間入院、5回/週、計10回施行)と従来の週1回法(5~11回施行)で治療効果、寛解導入率、寛解に至るまでの期間、入院日数、ステロイド量について比較した。対象は1996年5月~2011年3月にG-CAP施行した潰瘍性大腸炎の症例93症例(週1回:5回~11回、平均5.5回/症例)、Intensive CAP10症例であり、臨床活動指数(UCAI:Ulceractive Colitis Activity Index)と内視鏡的活動度(CSAI:colonoscopic activity index)を各10点法で評価した。【成績】Intensive CAP 症例では2週間後のUCAIは90%が改善しCSAIの改善は50%で臨床症状と内視鏡像の解離が認められた。効果発現の時期は平均3.8回施行後で、週1回法では2回終了後の3週目に効果発現を認めていることから回数の上では変わりなかった。しかし効果発現までのCAP施行回数は同じでもその期間が4日対3週間とIntensive CAPで早期改善を認めた。また有効率はIntensive CAP療法では60%、週1回法では約50%であった。【結論】Intensive CAPは週1回法と比較して臨床症状の改善が早期に認められている。また、罹病期間の長い症例やPSL積算が多い症例には無効なことが多く中等症の症例に有効であった。【考察】Intensive CAPは既存のG-CAP療法と比べ早期の改善が期待でき、入院治療で安静を保つことでより寛解導入に有効であった。CAP療法は重篤な副作用がないため、5-ASAやPSLのアレルギー症例や妊婦にも安全に施行でき、5ASAが無効の場合やPSL不応例・離脱困難例にも適している有効な治療であるといえる。
索引用語 Intensive CAP, UC