セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

潰瘍性大腸炎6

タイトル 消P-355:

ステロイド依存性の潰瘍性大腸炎に対する白血球除去療法の有用性と問題点の検討

演者 峯 宏昌(近畿大・消化器内科)
共同演者 櫻井 俊治(近畿大・消化器内科), 高山 政樹(近畿大・消化器内科), 永井 知行(近畿大・消化器内科), 永田 嘉昭(近畿大・消化器内科), 川崎 正憲(近畿大・消化器内科), 朝隈 豊(近畿大・消化器内科), 松井 繁長(近畿大・消化器内科), 樫田 博史(近畿大・消化器内科), 工藤 正俊(近畿大・消化器内科)
抄録 【背景と目的】潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)における免疫調節薬や生物学的製剤など薬物療法の進歩がもたらした影響は大きく、従来の治療法で寛解導入や維持が困難な症例、とりわけ、ステロイド抵抗性難治性潰瘍性大腸炎に対して有効性が示されている。しかしながら、免疫調節薬や生物学的製剤の副作用例や効果不十分例など、なお課題は残っている。そこで今回我々は非薬物療法である白血球除去療法のステロイド抵抗性難治性潰瘍性大腸炎に対する有効性について検討した。【方法】2010年6月~2011年4月に当科にて経過観察している156症例のUC患者のうち、ステロイド投与で寛解導入できず、CAP療法を併用した17症例と免疫調節薬の投与を行った重症潰瘍性大腸炎32症例を対象に検討を行った。【成績】ステロイド投与中にCAP療法を施行した20症例は65歳以下が16症例、65歳以上が4症例、男性8症例、女性12症例であり、CAP療法前の炎症部位は全結腸型13症例、左半結腸型6症例、直腸炎型1症例で、LCAPを8症例(42.1%)、GCPを12症例(57.9%)が施行された。結果として、CAP療法後に緩解導入できたのは12症例(60%)で、うち3症例(15%)で離脱できた。また免疫抑制剤を投与した32症例のうち7症例(21.9%)にて副作用を認めたが、CAP施行中に副作用等で中止となった症例は3症例(15%)であった。【結論】白血球除去療法は安全性において他の治療法より優れており、特にステロイド抵抗性難治性潰瘍性大腸炎において、病態早期に積極的に導入することで、臨床効果および患者のQOLをより向上させることが可能であると考える。
索引用語 潰瘍性大腸炎, 白血球除去療法