セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)潰瘍性大腸炎7 |
---|---|
タイトル | 消P-359:潰瘍性大腸炎における手術適応の検討 |
演者 | 藤盛 健二(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科) |
共同演者 | 岡 政志(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 山岡 稔(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 打矢 紘(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 平原 和紀(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 中澤 学(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 渡邊 一弘(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 近山 琢(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 吉野 廉子(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 水野 芳枝(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 安藤 さつき(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 中尾 雅美(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 菅原 通子(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 濱岡 和宏(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 本谷 大介(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 稲生 実枝(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 中山 伸朗(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 今井 幸紀(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 名越 澄子(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 持田 智(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科) |
抄録 | 【目的】潰瘍性大腸炎の内科的治療は,副腎皮質ステロイドのみに依存する状況から,血球除去療法,免疫調整薬,生物学的製剤など幅広い選択が可能となり,重症例でも寛解に誘導することが可になっている.しかし,一方では外科的治療を選択せざるを得ない症例も存在し,その適応に関して検討した. 【方法】1996年4月から2011年3月の間に当院で加療した潰瘍性大腸炎の患者を対象とした.罹患年数,合併症,手術の施行状況とその理由,術前の治療方法,特に副腎皮質ステロイドの投与量を検討した. 【成績】15年間の通院患者192例中,手術は15例(7.8%)であった.男10例,女5例,年齢(中央値)は40歳(21~66)で,平均罹患年数は5年9ヶ月(1~16年)であった.病型は慢性持続型が12例,急性増悪型が3例で,12例は全結腸型,うち3例は術前に中毒性巨大結腸症を合併していた.手術理由は10例が症状増悪で,大腸癌が2例,狭窄が1例,大出血が1例,穿孔が1例であった.手術の絶対適応である合併症が理由であったのは8例(53%)で,薬物療法によって十分な効果が得られず,患者の希望を考慮して手術を選択した例が7例(47%)であった.術前に副腎皮質ステロイドを投与されていたのは11例で,手術適応を決定する際の1日投与量は5mgから45mgまで多様であったが,5例は外科医の要請で10 mgまで減量した上で外科的治療を実施した.他の治療は免疫調節薬5例,血球除去療法6例,抗TNF-α製剤1例であった.大腸癌によって手術した2例と緊急手術の1例を除いた12例を対象に,免疫調節薬が保険適応となった2006年以前とそれ以降の症例数を比較すると,それぞれ9例と3例であり,手術件数は減少していた. 【考察と結語】免疫調節薬および生物学的製剤を用いても治療効果が不十分な症例では,外科的手術も治療法の1選択肢として,早期に患者と話し合った上で外科医に相談しておく必要があると考えられた. |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, 手術適応 |