セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)潰瘍性大腸炎7 |
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タイトル | 消P-360:潰瘍性大腸炎手術症例からみた至適手術時期についての検討 |
演者 | 平山 裕(名古屋大・消化器内科) |
共同演者 | 安藤 貴文(名古屋大・消化器内科), 石黒 和博(名古屋大・消化器内科), 前田 修(名古屋大・消化器内科), 渡辺 修(名古屋大・消化器内科), 日比 知志(名古屋大・消化器内科), 神谷 徹(名古屋大・消化器内科), 三村 俊也(名古屋大・消化器内科), 氏原 正樹(名古屋大・消化器内科), 森瀬 和宏(名古屋大・消化器内科), 宮原 良二(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 大宮 直木(名古屋大・消化器内科), 後藤 秀実(名古屋大・消化器内科DELIMITER名古屋大附属病院・光学医療診療部) |
抄録 | 【背景】近年、潰瘍性大腸炎(UC)の内科治療の進歩に伴い、外科治療の適応と考えられた症例に対しても内科治療が積極的に行われるようになった。しかし重症例やステロイド離脱困難例等では手術適応とタイミングの決定に苦慮する場合も少なくない。【方法・目的】2003年4月より2011年3月までに当院で外科手術が施行された(癌・dysplasia症例を除く)重症UC51例(男性33例、女性18例)を対象に、背景や経過等についてretrospectiveな解析を行い至適手術時期について検討した。【結果】患者背景は、発症時年齢:29.3±14.0歳、手術時年齢:36.4±15.6歳、罹病期間:7.2±6.8年、罹患範囲:全大腸炎39例、左側型12例、経過:再燃寛解38例、慢性持続10例、初回発作・急性劇症3例であった。外科手術の施行された51例のうち中毒性巨大結腸症等により緊急手術となった症例は14例であった。術後合併症は腹腔内膿瘍12例、腸閉塞12例、創部感染8例、出血3例及び縫合不全2例であった(重複例含む)。緊急手術(A群)と待機手術(B群)間で合併症の発生に有意差は認めなかった。術後合併症の危険因子について両群間で解析を行ったところ、A群では有意な因子を認めなかったが、B群では発症年齢≦20歳:OR4.50(1.05-19.22)、罹病期間≧7年:OR9.60(2.11-43.58)、術前ステロイド使用量≧20mg/日:OR10.36(1.10-97.69)が有意であった。また緊急手術に対する危険因子の解析では罹病期間≦1年:OR7.29(1.44-37.01)が有意であった。【結論】UC待機手術の至適手術時期について、発症年齢が20歳以下、罹病期間が7年を超える症例では全身状態に応じて手術を考慮することが望ましく、また術前のステロイド減量が重要である可能性が示唆された。発症1年以内の症例に関しては緊急手術の可能性を考慮する必要性が考えられた。ただ手術時期の決定についてはQOLや社会的問題も含み、慎重な検討が必要である。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, 手術症例 |