セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-腫瘍1

タイトル 消P-366:

大腸腫瘍におけるp62蛋白の発現に関する検討

演者 森山 一郎(島根大附属病院・腫瘍センター)
共同演者 石原 俊治(島根大・2内科), 多田 育賢(島根大・2内科), 岡 明彦(島根大・2内科), 楠 龍策(島根大・2内科), 福庭 暢彦(島根大・2内科), 結城 崇史(島根大附属病院・光学医療診療部), 川島 耕作(島根大・2内科), 天野 祐二(島根大附属病院・光学医療診療部), 木下 芳一(島根大・2内科)
抄録 【背景と目的】真核細胞内にはユビキチン・プロテアソーム系とオートファジーの2つの蛋白質分解系が存在する.中でもオートファジーは自己の過剰に作られた蛋白や異常蛋白を細胞内でリソソームによって分解する一連の現象である.p62はオートファジーにおいて選択的に分解される基質と考えられている分子であり,細胞内で多彩なシグナル伝達を担っている.p62蛋白が癌の発生や進展に関わる可能性が示唆されているが,大腸腫瘍のように発生に多段階の過程を経る腫瘍に関してp62蛋白の発現を検討した報告は認められない.【方法】対象はヒトの大腸腫瘍とし,内視鏡的および外科的切除によって得られた組織を用いた.病理組織学的に過形成性ポリープ(5例),大腸腺腫(低異型度20例、高異型度20例),大腸癌(15例)と診断された病変の組織を用いて免疫組織学的にp62蛋白の発現を検討した.【成績】p62蛋白質の発現は,過形成性ポリープではほとんど認められなかった.一方、腫瘍性病変では腫瘍腺管(上皮)にp62の発現が認められ、その発現は、大腸腺腫(低異型度),大腸腺腫(高異型度),早期大腸癌の順に異型度が高くなるに従い亢進した.【結論】大腸腫瘍の発生や進展の病態にp62が関与する可能性が示唆された.
索引用語 p62, 大腸腫瘍