セッション情報 パネルディスカッション3(肝臓学会・消化器病学会合同)

自己免疫性肝炎-重症・難治例の現状と対処法

タイトル 肝PD3-10:

ステロイド治療抵抗性自己免疫性肝炎例の臨床像の検討

演者 高橋 宏樹(東京慈恵会医大大学院・消化器内科学)
共同演者 国安 祐史(東京慈恵会医大大学院・消化器内科学), 銭谷 幹男(東京慈恵会医大大学院・消化器内科学)
抄録 【背景】自己免疫性肝炎(AIH)治療には副腎皮質ステロイド(PSL)が用いられるが、寛解導入や導入後再燃の治療が困難なPSL抵抗例も存在する。こうした症例の臨床像を明らかにすることは重要である。【方法】当科でAIHに対しPSL治療を行った186例を対象とした。PSLで寛解導入でき再燃のない症例(A群)、寛解導入中・導入後に再燃しPSL増量で安定した症例(B群)、寛解導入中・導入後に再燃しアザチオプリン(AZP)併用を余儀なくされた症例(C群)、PSL・AZP治療に抵抗性を示した症例(D群)にわけ、診断時の臨床像、検査値、病理組織所見、予後を比較検討した。【成績】A群99例(53.2%)、B群38例(20.4%)、C群33例(17.7%)、D群16例(8.6%)と73.6%でPSLによる寛解導入・維持が可能だった。各群の発症年齢に差はないが、劇症発症例はA、B群で0%、C、D群で6.1、6.3%と有意に多く、急性発症例はD群で有意に少なかった(p<0.01)。発症時肝硬変の症例はD群で他群に比し有意に多く(43.8vs7%、p<0.01)、C群ではB群に比し有意に多かった(12.1vs0%、p<0.01)。発症時ALT値、IgG値、抗核抗体価はC、D群でA、B群に比し有意差はないが高い傾向を認めた。組織学的にA2以上の例はC、D群(85.7、80%)でA、B群(57.4、53.6%)に比し有意に多く(p<0.01)、F2以上の例もC、D群(57.1、60%)でA、B群(30.9、42.9%)に比し有意に多かった(p<0.01)。死亡率はD群で他群に比し有意に高かった(56.3vs1.5%、p<0.01)。【結論】AIHの約3割でPSL抵抗性が認められ、それらは発症時活動性が高く組織学的進行例が多かった。しかしB群とC群で予後に差がないことから、初診時にそうした臨床像を示す症例ではPSL効果を早期に適切に判断しAZP併用を行うことが肝要と考えられた。
索引用語 自己免疫性肝炎, ステロイド治療抵抗性