セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-腫瘍2

タイトル 消P-375:

大腸癌に対する新規樹状細胞ワクチンの臨床試験―免疫学的効果と臨床効果

演者 榊原 充(大阪大・消化器内科)
共同演者 考藤 達哉(大阪大・消化器内科), 垣田 成庸(大阪大・消化器内科), 東谷 光庸(大阪大・消化器内科), 松原 徳周(大阪大・消化器内科), 林 紀夫(関西労災病院)
抄録 【目的】樹状細胞(DC)を用いた癌ワクチン療法は消化器癌でも効果が期待されているが、既報の臨床効果は充分でない。これはワクチンに適したDCの誘導法が検証されておらず、その抗腫瘍活性が低いことが一因である。そこで我々は遊走能・Th1誘導能・NK活性能・抗原特異的CTL誘導能に優れた新規DC(OPA-DC)を開発し、有効性と安全性を評価を目的とする大腸癌に対するOPA-DCワクチンの臨床試験を行った。免疫学的効果と臨床効果の関連性につき検討した。【方法】CEA陽性かつHLA-A2402陽性Stage-IV大腸癌患者10例に対しワクチンを施行した。アフェレーシスで得た単核球より単球を分離し、IL4/GMCSFを用いて3日間培養してOK432、PGE1、IFNαで刺激してOPA-DCを得た。また、HLA-A24拘束性CEAペプチドを抗原として添加した。これを2週ごとに4回鼠径部リンパ節近傍に皮下投与し、終了2週後に臨床効果を判定した。投与前後での有害事象および免疫学的効果(細胞頻度、CTL活性、NK活性)を評価した。【結果】全10例中2例で原疾患悪化での脱落があったが、投与完了8例では重度の有害事象は認められなかった。8例中6例(75%)でNK細胞の頻度上昇を認めた。またNKによる細胞傷害活性上昇を認めた2例でのみCEA抑制効果が得られた。うち1例でSDが得られ、同症例ではCEA特異的CTL頻度が上昇した。しかし誘導されたCTLは、ほとんどがセントラルメモリー細胞(Tcm)であった。これらの有効症例では開始前の転移巣が他に比して小さかった。【結論】OPA-DCは安全に投与可能である。特にNK細胞刺激効果が高く、CEA抑制効果や腫瘍抑制効果にNK活性が大きく寄与したと考えられる。一方、誘導されたCTLはエフェクター作用の低いTcmであり、これが充分な臨床効果が得られない一因と考えられた。DCの強化だけでは免疫学的反応は得られたが、充分な臨床効果は得られず、投与開始時期や腫瘍由来抑制因子の制御などの工夫が必要と考えられた。
索引用語 樹状細胞, 大腸癌