セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-腫瘍2

タイトル 消P-377:

当院における大腸腫瘍性病変と肥満の関係

演者 松永 尚治(山口大大学院・消化器病態内科学)
共同演者 橋本 真一(山口大大学院・消化器病態内科学), 播磨 郷子(山口大大学院・消化器病態内科学), 田辺 亮(山口大大学院・消化器病態内科学), 岡本 健志(山口大大学院・消化器病態内科学), 西川 潤(山口大大学院・消化器病態内科学), 坂井田 功(山口大大学院・消化器病態内科学)
抄録 【背景】近年、本邦においても食生活の欧米化により肥満、特に内臓脂肪型肥満による様々な疾病リスクの増加が危惧されているが、大腸腫瘍との関連についても報告されるようになってきており、実際に部位別癌死亡率において、男女ともに大腸癌は上位に位置している。【目的】当院における大腸腫瘍性病変とBMI、体脂肪率、腹囲ならびに高血圧、糖尿病、高脂血症の関連性の有無を検討する。【対象・方法】2009年4月10日~2010年12月27日までに当院で施行した下部消化管内視鏡検査症例1628件のうち543例(平均年齢63.9歳、男性293例、女性250例)に対して、大腸腫瘍性病変の有無とBMI、体脂肪率、腹囲、高血圧、糖尿病、高脂血症の関連について検討した。なお、40歳未満81歳以上の症例や体重・BMIの変動に影響すると考えられる胃切除後や炎症性腸疾患等の症例に関しては除外した。【結果】検査時に早期癌を含む腺腫性腫瘍性病変を認めたもの、およびそれらの既往を有するものを大腸腫瘍罹患群とし、それら以外を非大腸腫瘍罹患群として比較検討を行った。大腸腫瘍罹患群は310例(57.1%)で、非大腸腫瘍罹患群は233例(42.9%)であり、大腸腫瘍罹患群と非大腸腫瘍罹患群をそれぞれの項目について比較検討すると、BMI(23.3±3.33vs22.2±3.36)、腹囲(83.6±10.3vs78.4±9.53cm)、体脂肪率(28.7±23.2vs27.1±7.44%)においてそれぞれ有意差がみられた(p<0.05)。合併疾患に関しては大腸腫瘍罹患群において高血圧を有する症例が有意に多かったが(p<0.05)、糖尿病と高脂血症に関しては有意差を認めなかった。【結語】当院においてはBMI、腹囲、体脂肪率および高血圧が大腸腫瘍性病変の罹患率に関与しており、今後より有効な大腸腫瘍性病変スクリーニングに向けたアルゴリズム構築における重要な知見と考えられた。
索引用語 大腸腫瘍, 肥満