セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-腫瘍3

タイトル 消P-378:

大腸粘液癌の臨床病理学的検討

演者 田畑 拓久(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科)
共同演者 小泉 浩一(がん・感染症センター都立駒込病院・内視鏡科), 桑田 剛(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 稲葉 良彦(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 高橋 慶一(がん・感染症センター都立駒込病院・外科), 立石 陽子(がん・感染症センター都立駒込病院・病理科), 堀口 慎一郎(がん・感染症センター都立駒込病院・病理科), 比島 恒和(がん・感染症センター都立駒込病院・病理科)
抄録 【目的】大腸粘液癌は稀な組織型で、一般に予後不良とされている。今回我々は、粘液癌と高・中分化型腺癌を比較検討することにより、大腸粘液癌の臨床病理学的特徴を明らかにすることを目的とした。【方法】2006年4月~2009年6月までに当院で外科的に切除された粘液癌(muc;以下Muc群)49病変と高・中分化型腺癌(tub1/tub2/pap;以下D群)671例700病変を対象とし,年齢・性別,占拠部位,腫瘍径,肉眼型,深達度,リンパ節転移(N)・肝転移(H)・腹膜播種(P)・遠隔転移(M)の有無,病期,脈管侵襲の有無について比較した。また粘液癌43病変について、高分化型粘液癌(以下W-Muc群)32例と低分化型粘液癌(以下P-Muc群)11例に亜分類し比較した。【成績】1.Muc群とD群の検討において、年齢・性別に差を認めなかった.Muc癌は右側結腸に有意に多く(44.9%v.s24.0%)、腫瘍径は大きかった。肉眼型は3型(24.5%v.s1.9%),5型(4.1%v.s0.0%)が有意に多く、深達度はSS/A以深(95.9%v.s67.1%)の進行癌が有意に多かった。また、N陽性例(59.2%v.s41.9%),P陽性例(20.4%v.s2.5%),M陽性例(20.4%v.s4.2%)が多く、Stage4期が有意に多かった。2.W-Muc群とP-Muc群の検討において、占拠部位および深達度に有意差は認められなかったが、P-Muc群は肉眼型3型(54.5%v.s9.4%)が有意に多かった。N陽性例,H陽性例について両群間で差を認めなかったが、P-Muc群はP陽性例(45.5%v.s6.3%),M陽性例(45.5%v.s9.4%)が多く、Stage4期が有意に多かった。【結論】粘液癌は高・中分化型腺癌と比べ右側結腸の進行癌が多い。また、リンパ節転移陽性例および腹膜播種,遠隔転移が多かった。中でも低分化型粘液癌は腹膜播種,遠隔転移の頻度が高く予後不良と考えられた。
索引用語 大腸粘液癌, 直腸粘液癌