セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-腫瘍3

タイトル 消P-379:

当院における大腸低分化腺癌の検討

演者 香田 正晴(鳥取大・機能病態内科)
共同演者 八島 一夫(鳥取大・機能病態内科), 今本 龍(鳥取大・機能病態内科), 林 暁洋(鳥取大・機能病態内科), 池淵 雄一郎(鳥取大・機能病態内科), 佐々木 修治(鳥取大・機能病態内科), 安部 良(鳥取大・機能病態内科), 松本 和也(鳥取大・機能病態内科), 河口 剛一郎(鳥取大・機能病態内科), 原田 賢一(鳥取大・機能病態内科), 村脇 義和(鳥取大・機能病態内科)
抄録 大腸癌は、殆どが分化型癌であり、低分化腺癌、印環細胞癌などの未分化型癌は比較的稀である。特に低分化腺癌の頻度は全大腸癌の1~8%とされ、診断時にはすでに進行癌であることが多い。【対象】2008年1月から2010年12月に当院で外科的に切除された大腸癌221例中の低分化腺癌21例(9.5%)を対象とし、年齢・性・既往歴・家族歴・飲酒歴・喫煙歴・腫瘍占拠部位・大きさ・肉眼型・深達度・低分化型以外の成分の併存・リンパ節転移について検討した。【結果】男性10例(47.6%:平均年齢65.7歳)、女性11例(52.4%:66.5歳)、平均年齢66.1歳(年齢分布47~86歳)であり、飲酒歴11例(52.4%)、喫煙歴7例(33.3%)であった。癌既往は6例(28.6%)認め、胃癌4例(19.0%)、大腸癌1例(4.8%)であった。癌家族歴は10例(47.6%)認め、大腸癌家族歴は2例(9.5%)であった。Stageは、I:II:IIIa:IIIb:IV=1:3:8:5:4例で比較的進行例が多く、占拠部位は、盲腸:上行結腸:横行結腸:下行結腸:S状結腸:直腸=0:8:6:0:5:2例で、右側結腸で14例(66.7%)を占めた。腫瘍径は平均45.6mm×40.5mmと大きく、肉眼型は2型が19例(90.5%)、3型が2例(9.5%)であった。深達度はM:SM:MP:A/SS:SE:SI/AI=0:1:3:2:11:3:1:0で、リンパ節転移はMP以深の12例(57.1%)に認めた。また、低分化腺癌以外の成分の併存を高・中分化型管状腺癌11例(52.4%)、印環細胞癌1例8(4.8%)、粘液癌2例(9.5%)で認め、低分化腺癌のみは7例(33.3%)であった。また、低分化腺癌成分のみの4例(19.0%)に異所性同時性の癌を認めたが、いずれも一方は分化型腺癌であった。【結語】大腸低分化腺癌は分化型腺癌と異なり、女性の割合が多かった。またこれまでの報告同様に当院においても右側結腸に多く認め、分化型成分の混在を認めた。分化型腺癌が混在しているのは、分化型腺癌が進行の過程で低分化型腺癌に移行すると考えられた。
索引用語 大腸癌, 低分化腺癌