セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸-腫瘍3
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タイトル |
消P-380:大腸癌に対するFDG-PET/CT検査の有用性
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演者 |
武藤 修一(苫小牧市立病院・消化器科DELIMITER北海道大大学院・薬学研究院臨床病態解析学) |
共同演者 |
大西 俊介(北海道大大学院・消化器内科学), 福島 拓(苫小牧市立病院・消化器科DELIMITER北海道大大学院・消化器内科学), 高橋 一宏(苫小牧市立病院・消化器科), 宮本 秀一(苫小牧市立病院・消化器科), 武田 宏司(北海道大大学院・薬学研究院臨床病態解析学) |
抄録 |
【目的】当院で、FDG-PET/CT(以下PET/CT)検査が施行されて、術後病理所見まで確認できた大腸癌症例について、検出能、リンパ節転移の検出能と集積の程度を示すSUV max値の意義、大腸癌診断にPET/CTは有効であるかについて検討した。【方法】H18年10月から、平成22年10月までの当院でPET/CT検査を施行した大腸癌手術症例151症例(男性79例、女性72例、平均年齢68.2歳(35歳~89歳))、154病変を対象とした。【成績】PET/CT検査で、大腸癌4病変(3.8%)の描出ができなかった。2cm以下の病変2例、LST病変1例、腸全体が集積してしまって確認のできない病変1例であった。術前の造影CT検査にて、リンパ節の8mm以上の腫大を陽性とした場合の病理学的リンパ節転移診断能は、感度53%特異度85%陽性尤度比3.61陰性尤度比は0.55であった。一方でリンパ節の集積を持って転移と診断した場合は、感度54%特異度89%陽性尤度比4.94陰性尤度比0.52であり、診断能は造影CT検査と変わらなかった。SUV max値に関わるのは、最大腫瘍径が相関係数r=0.48と相関を認め、深達度(MP以下とSS以上)もp<0.05の有意差を認めた。原病巣のSUVmax値は再発や生命予後の間に有意差は見られなかった。また、内視鏡検査施行前でも、転移性肝腫瘍や他部位の悪性腫瘍検査で行われたPET/CT検査にて大腸癌は8症例確認された。PET/CTにより他部位の転移が確認できたために治療方針が変更されたのは、領域外のリンパ節が確認された1症例のみであった。【結論】大腸癌において、内視鏡診断後のPET/CT検査は、既存の検査を凌駕するほどの有意な検査とは言い得なかった。しかし、2cm以上の病変は描出が可能であり、大腸内視鏡検査が不可能な患者には有用であることが考えられた。小さな病変、丈の低い病変、腸全体の集積(下剤の服用が一番の原因である:2009消化管学会にて発表)により、病変が認められないことがあることは留意していく必要があると考えられた。 |
索引用語 |
大腸癌, PET-CT |