セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-腫瘍4

タイトル 消P-387:

当科における大腸Neuroendocrine carcinomaの検討

演者 藪下 泰宏(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター)
共同演者 渡辺 一輝(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター), 五代 天偉(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター), 上田 倫夫(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター), 大島 貴(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター), 藤井 正一(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター), 國崎 主税(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター), 遠藤 格(横浜市立大大学院・消化器病態・腫瘍外科学)
抄録 【はじめに】大腸Neuroendocrine carcinoma(NEC)は原発性大腸癌のうち、1%未満とされ非常にまれな疾患である。当科で経験した大腸NEC症例について検討した。【対象】1984年から2010年までに当科で経験した大腸NEC症例は5例であった。男女比は2:3、平均年齢56.8歳であった。【結果】主訴は下血、便秘、肛門痛、腰背部痛であった。占拠部位は上行結腸1例、S状結腸1例、直腸2例、肛門管1例であった。手術を施行した症例は4例(80%)で、術前にNECの診断がついたものは1例(25%)であった。平均腫瘍径は41.5mm(10-75)、深達度はSS/Aが3例(75%)、SE1例(25%)であった。NECと腺癌が併存した症例は3例認めた。リンパ節転移陽性例は2例(50%)に認め、いずれも216番まで陽性であった。手術根治度ではCurA:B:Cが2:1:1であった。化学療法を施行した症例は3例認め、1例mFOLFOX6+bevacizumab、2例CPT-11+CDDPを施行した。平均観察期間は9.2カ月と短いが、1例が術後1年間無再発生存している他、4例は死亡している。本邦で報告されている大腸NEC症例64例について検討すると、術前にNECと診断がついていたものは16例(25%)と術前診断が難しかった。診断時にはStage3以上の症例が53例(82%)と高度進行例が多く,診断後1年以内に死亡した症例は32例(50%)と、急速な進行をたどり予後不良な疾患である。【結語】大腸NECに対する現時点での確立した治療法はなく、集学的治療方法の確立が望まれるが、症例が少ないので多施設での症例集積が必要である。
索引用語 大腸, Neuroendocrine carcinoma