セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-腫瘍5

タイトル 消P-390:

直腸癌に対する直腸前方切除時の残存直腸内洗浄の意義

演者 早田 浩明(千葉県がんセンター・消化器外科)
共同演者 山本 宏(千葉県がんセンター・消化器外科), 永田 松夫(千葉県がんセンター・消化器外科), 滝口 伸浩(千葉県がんセンター・消化器外科), 鍋谷 圭宏(千葉県がんセンター・消化器外科), 池田 篤(千葉県がんセンター・消化器外科), 貝沼 修(千葉県がんセンター・消化器外科), 趙 明浩(千葉県がんセンター・消化器外科), 太田 拓実(千葉県がんセンター・消化器外科), 岩瀬 俊明(千葉県がんセンター・消化器外科), 朴 成進(千葉県がんセンター・消化器外科), 有光 秀仁(千葉県がんセンター・消化器外科), 柳橋 浩男(千葉県がんセンター・消化器外科)
抄録 直腸癌治療において術後骨盤内再発は結腸癌と比較し多く、またその治療法も困難な例が多い。骨盤内再発を防ぐことは非常に重要である。当科では低位前方切除術での骨盤内再発の一つである吻合部再発予防として徹底した残存直腸内洗浄を行っている。年代的に洗浄法と吻合部再発との関連性を比較して報告する。対象:当科で直腸S状部以遠位に主座のある大腸癌で根治切除した1988~1997年までをA群、1998~2007年までの症例をB群とした。洗浄方法:A群での洗浄法は術者の判断で行われない場合や、また洗浄の量もまちまちで、手順もステイプルでの切離後に行ったりしていた。B群での洗浄法は直腸を腸鉗子で遮断後、肛門よりダブルバルーン付きチューブを挿入し、ダブルバルーンで肛門を挟み固定し微温水で直腸内を充分に水で充満させてから排出を繰り替えし、原則2000ml以上洗浄する。バルーンを脹らませられない超低位での遮断では3000ml以上の微温水で肛門を解放した状態で洗浄する。結果:A群での吻合部再発は150例中7例に、B群では240例中4例であった。洗浄法を統一し徹底したことで吻合部再発は減少した。また吻合部再発を含む骨盤内局所再発全体ではA群で24例に対し、B群は7例であった。吻合部以外の骨盤内再発の減少はTMEの意識を持つことによると推察される。結語:直腸癌術後の吻合部再発の予防には徹底した残存直腸内の洗浄が有効であり、その意識を手術スタッフ全員が強く意識することが重要である。
索引用語 直腸癌, 吻合部再発