セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-腫瘍5

タイトル 消P-392:

穿通性大腸腫瘍の診断と治療におけるキャンサーボードの意義

演者 奥山 祐右(京都第一赤十字病院・消化器科)
共同演者 川上 巧(京都第一赤十字病院・消化器科), 小野澤 由里子(京都第一赤十字病院・消化器科), 北市 智子(京都第一赤十字病院・消化器科), 田中 信(京都第一赤十字病院・消化器科), 間嶋 淳(京都第一赤十字病院・消化器科), 鈴木 隆裕(京都第一赤十字病院・消化器科), 世古口 悟(京都第一赤十字病院・消化器科), 鎌田 和浩(京都第一赤十字病院・消化器科), 戸祭 直也(京都第一赤十字病院・消化器科), 中村 英樹(京都第一赤十字病院・消化器科), 佐藤 秀樹(京都第一赤十字病院・消化器科), 木村 浩之(京都第一赤十字病院・消化器科), 吉田 憲正(京都第一赤十字病院・消化器科), 塩飽 保博(京都第一赤十字病院・外科)
抄録 【はじめに】当院におけるキャンサーボードの活動は2010年9月から開始され、主たる診療科に加えて、診断と治療法選択にかかわる関連診療科を加え、非定期ではあるが、随時検討を行っている。【目的】診断・治療において難渋する穿通性大腸腫瘍を例に、キャンサーボードの意義を考察する。【対象と方法】大腸腫瘍に関連するキャンサーボードでは、消化器科、放射線科、外科、婦人科、病理診断科が協力し、7ヶ月間に14症例の検討を行った。内訳は再発大腸癌に対する治療法選択6例、内視鏡的切除後の追加切除の是非1例、粘膜下腫瘍との鑑別診断に難渋した症例1例、穿通性の大腸腫瘍の診断・治療法選択6例であった。【結果】穿通性大腸腫瘍の症例は男性3例、女性3例、年齢は40歳~87歳(中央値54歳)、症例の詳細は、進行大腸癌に合併した後腹膜膿瘍2例、虫垂粘液嚢胞腺癌の腹腔内穿破1例、大腸癌術後リンパ節再発による穿通性胃潰瘍1例、大腸癌切除後、放射線照射による直腸膀胱瘻1例、直腸壁外性腫瘍の穿通1例であった。キャンサーボードにおいて以下の点が検討された。1)放射線科医の適確な診断により、正確な浸潤範囲の同定を行う。2)外科的治療単独では根治的な治療が困難な症例であるため、各診療科から、まずは患者のQOLを重視した治療法の提案を行う。結果として、検討した6症例ともに、1次治療を施行し、追加的外科治療や術後化学療法など2次治療の施行が可能となった。【結論】穿通性大腸腫瘍症例においては、腫瘍の直接浸潤域の正確な診断とともに、患者のQOLの維持を目標とした治療法の選択が重要であり、関連する診療科の連携を重視したキャンサーボードでの検討に意義があると考える。
索引用語 キャンサーボード, 穿通性大腸腫瘍