セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸-腫瘍5 |
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タイトル | 消P-394:高齢者大腸癌に対する手術適応の決定と術後合併症の予防について |
演者 | 澤井 照光(長崎大・腫瘍外科) |
共同演者 | 竹下 浩明(長崎大・腫瘍外科), 長嵜 寿矢(長崎大・腫瘍外科), 田中 研次(長崎大・腫瘍外科), 福田 大輔(長崎大・腫瘍外科), 富永 哲郎(長崎大・腫瘍外科), 濱崎 景子(長崎大・腫瘍外科), 若田 幸樹(長崎大・腫瘍外科), 國崎 真己(長崎大・腫瘍外科), 黨 和夫(長崎大・腫瘍外科), 阿保 貴章(長崎大・腫瘍外科), 日高 重和(長崎大・腫瘍外科), 七島 篤志(長崎大・腫瘍外科), 安武 亨(長崎大・腫瘍外科), 永安 武(長崎大・腫瘍外科) |
抄録 | 【目的】80歳以上の高齢者大腸癌において、(1)肺塞栓症リスク判定と予防、(2)PSと臓器障害に応じた術式の決定(PS3・PS2かつ重篤な臓器障害では縮小手術、PS4・PS3かつ重篤な臓器障害では姑息手術)、(3)小開腹単独法(Moving window法)を中心とした低侵襲手術、(4)硬膜外持続注入を主とした十分な除痛、(5)COPD症例では術前細菌学的検査、(6)全症例に術前UCG、を行うことが術後合併症予防に重要であることを以前に報告した。報告前における術後合併症の発生率と、その後11年間に経験した症例におけるそれとを比較することで、術後合併症予防としての有効性を検証する。【対象と方法】1989年~2010年の22年間に長崎大学腫瘍外科においてmajor surgeryを行った80歳以上の高齢者大腸癌178例を、報告前の前期66例(1989年~1998年)とその後に経験した後期112例(1999年~2010年)とに分類し、術後合併症の発生率を比較した。【結果】術後合併症のうちイレウスについては前期:2例(3.0%)から後期:4例(3.6%)で改善はみられなかったが、感染性合併症は前期:5例(7.6%)から後期:4例(3.6%)へ半減していた。縫合不全は、慢性心不全と深部静脈血栓症を伴う下部直腸癌に対して腹腔鏡下低位前方切除術を行った86歳男性の1例に認めたのみであった。呼吸器合併症は前期:4例(6.1%)から後期:1例(0.9%)と減少し、手術直接死亡も前期:4例(6.1%)から後期:2例(1.8%)へ減少していた。【結論】高齢者大腸癌における術後合併症予防として、日進月歩で進歩していく周術期管理の影響も否定できないが、上記(1)~(6)は有効であると考えている。PS1以上や、PS2でも重篤な臓器障害を伴っていない場合、高齢者であっても根治を目指した外科治療を適用すべきであると思われた。 |
索引用語 | 高齢者大腸癌, 術後合併症予防 |