セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸-治療(化学療法)1 |
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タイトル | 消P-398:Bitter Melon (Mormodica Charantia)の葉から抽出されたKuguacin JはP-glycoproteinの新規抑制剤である |
演者 | 大沼 忍(東北大・胃腸外科) |
共同演者 | 三浦 康(東北大・胃腸外科), 内藤 剛(東北大・胃腸外科), 小川 仁(東北大・胃腸外科), 鹿郷 昌之(東北大・胃腸外科), 森川 孝則(東北大・肝胆膵外科), 田中 直樹(東北大・胃腸外科), 羽根田 祥(東北大・胃腸外科), 渡辺 和宏(東北大・胃腸外科), 工藤 克昌(東北大・胃腸外科), 佐々木 宏之(東北大・胃腸外科), 柴田 近(東北大・胃腸外科), 海野 倫明(東北大・肝胆膵外科), 佐々木 巖(東北大・胃腸外科), SV. Ambudkar(National Cancer Institute, NIH, USA), P. Limtrakul(Chiang Mai University) |
抄録 | (背景)癌化学療法を行う上で障害となるのが癌細胞による多剤耐性 (Multidrug resistance: MDR)の出現である。ABC (ATP Binding Cassette)トランスポーターファミリーのひとつであるP-glycoprotein (Pgp, ABCB1)は癌細胞膜に発現、抗癌剤排出ポンプとして機能しMDRの一因となっている。また、Pgpは小腸、大腸、脳、腎などに生理的に発現し、異物や毒素を排除する生体バリアとしても機能している。効果的なPgpの抑制剤を同定することは抗癌剤感受性、抗癌剤のbioavailabilityの向上に必要であるが、これまで臨床上有効なPgp抑制剤は報告されていない。(目的)Bitter Melon (Mormodica Charantia)の葉から抽出されたKuguacin JがPgpの抑制剤となるかどうか明らかとする。(方法)Bitter Melonの葉から有効成分を抽出、Pgp過剰発現癌細胞株を用い、抽出物がPgpの機能を抑制するか細胞毒性試験等で検討した。また、抽出物のPgpに対する作用メカニズムを生化学的に解析した。(結果)抽出物からKuguacin Jという有効成分を同定した。Kuguacin JはPgp過剰発現細胞のVinblastine, Paclitaxelの感受性を向上させ、3H-vinblastineの細胞内濃度を増加させた。また、生化学的解析によりKuguacin JはPgpの基質結合部位に作用することが明らかとなった。(結語)Kuguacin JはPgpの新規抑制剤として臨床応用できる可能性がある。 |
索引用語 | P-glycoprotein, 多剤耐性 |