セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸-治療(化学療法)1
|
タイトル |
消P-400:Calcium, Magnesium製剤併用FOLFOX療法のOxaliplatin関連末梢神経障害の軽減に対する有効性について
|
演者 |
藤井 幸治(山田赤十字病院・外科) |
共同演者 |
楠田 司(山田赤十字病院・外科), 宮原 成樹(山田赤十字病院・外科), 高橋 幸二(山田赤十字病院・外科), 松本 英一(山田赤十字病院・外科), 奥田 善大(山田赤十字病院・外科), 藤永 和寿(山田赤十字病院・外科), 山岸 農(山田赤十字病院・外科), 村林 紘二(山田赤十字病院・外科) |
抄録 |
【目的】Oxaliplatin (L-OHP)は大腸癌治療に広く使用され、大腸癌の治療成績向上に寄与している。しかしL-OHPの特徴的副作用として末梢神経障害の発生率が高く、用量規定因子となっている。今回、FOLFOX療法時のCalcium, Magnesium (Ca/Mg) 併用投与による末梢神経障害の軽減効果を検討した。【対象】2008年6月~2010年12月までにFOLFOX療法を行った切除不能進行・再発大腸癌およびstage III大腸癌(大腸癌取扱い規約第7版)48例(男性34例、女性14例)。【方法】FOLFOX4±bevacizumab療法またはmFOLFOX6±bevacizumab療法を、それぞれ最高12回の投与コースで施行した。前治療の有無は問わないこととした。Ca/Mg投与群(CM群)はL-OHP(85mg/m2)投与前後にCalcium gluconate 0.85g / Magnesium sulfate 1gを30分で点滴静注し、非投与群(N群)と比較検討した。有害事象はCTCAE v4.0、末梢神経障害はDEB-NTC、腫瘍縮小効果判定はRECISTで評価した。【結果】CM群28例(平均年齢64.3歳)、N群20例(平均年齢66.0歳)で患者背景に差はなかった。急性末梢神経障害初回発現コースはCM群5.2コース、N群4.6コース、慢性末梢神経障害初回発現コースはCM群6.3コース、N群5.5コースであった。Grade 1以上の慢性末梢神経障害発現症例はCM群20/28例(71.4%)、N群18/20例(90.0%)で、総発現回数はCM群46/205回(22.4%)、N群47/134回(35.1%)で有意差を認めた。FOLFOX療法の投与コースはCM群3-12回(平均7.9回)、N群1-12回(平均7.3回)、各コース投与間隔はCM群2-6週(平均2.8週)、N群2-9週(平均3.1週)であった。慢性末梢神経障害初回発現までのL-OHP累積投与量は、CM群140-1463mg (平均827.5 mg)、N群140-1350 mg (平均720.1 mg)であった。腫瘍縮小効果に各群の差は認めなかった。【結語】Ca, Mg製剤併用FOLFOX療法では末梢神経障害の発生率を低下させ、投与間隔が短く、投与コースが増加することにより、効率的に抗癌剤治療を行えると考えられた。 |
索引用語 |
oxaliplatin, 末梢神経障害 |