セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-治療(化学療法)2

タイトル 消P-406:

原発巣を有する切除不能進行大腸癌に対するbevacizumab投与の安全性に関する検討

演者 辻 国広(静岡がんセンター・消化器内科DELIMITER石川県立中央病院・消化器内科)
共同演者 山崎 健太郎(静岡がんセンター・消化器内科), 安井 博史(静岡がんセンター・消化器内科), 朴 成和(聖マリアンナ医大・臨床腫瘍学), 土山 寿志(石川県立中央病院・消化器内科), 小野澤 祐輔(静岡がんセンター・原発不明科), 福冨 晃(静岡がんセンター・消化器内科), 町田 望(静岡がんセンター・消化器内科), 戸高 明子(静岡がんセンター・消化器内科), 谷口 浩也(静岡がんセンター・消化器内科), 對馬 隆浩(静岡がんセンター・消化器内科), 濱内 諭(静岡がんセンター・消化器内科), 船越 太郎(静岡がんセンター・消化器内科)
抄録 【背景】
原発巣に伴う症状を有さない切除不能進行大腸癌に対する予防的原発巣切除の意義は明らかではない。当院では内視鏡通過に支障がなく、活動性出血、膿瘍形成を有さない症例に対しては原発巣切除を行わず化学療法を施行してきた。近年、新規抗癌剤の開発により高い腫瘍制御が期待できるようになったが、bevacizumab(BV)には特徴的な副作用として出血、消化管穿孔が認められ、原発巣非切除例に対するBV併用療法では原発巣に伴うこれらの副作用が高くなるとの報告もある。
【目的】
原発巣を有する切除不能進行大腸癌に対するBV投与の安全性について検討すること。
【方法】
2004年9月から2010年4月までに初回治療としてFOLFOXorCapeOX±BVが施行された原発巣を有する切除不能進行大腸癌48例を対象に、BV投与群と非投与群における安全性を検討した。
【結果】
BV投与群、非投与群は各24例、各群の患者背景は年齢中央値:54.5、57.5歳、性別 男/女:17/7、18/6、PS0/1/2:20/3/1、14/8/2、原発部位 結腸/直腸:17/7、13/11、周在性 1/2周以上/1/2周未満/不明:22/1/1、22/0/2、転移部位(重複) 肝/肺/腹膜/LN:18/5/5/17、23/8/1/20。2011年2月1日の時点でBEV投与群の観察期間中央値 13.9ヶ月、非投与群は生存例なし。投与回数中央値は18、11.5回、無増悪生存期間は10.7、7.5ヶ月。初回治療施行中に認めた原発巣との関連が否定できないGr3以上の出血/穿孔/閉塞は併用群で1/0/2例、非併用群で0/0/2例、閉塞に対して各々2例で外科的加療を要したが術後合併症は認めず、有害事象に伴う治療中止、死亡例も認めなかった。
【結論】
原発巣非切除例に対するBV投与は治療の継続性に問題はなく、BV投与の有無にかかわらず原発巣との関連が否定できない有害事象は10%程度と諸家の報告と同程度であり安全に施行できると考えられた。
索引用語 大腸癌, bevacizumab