セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-その他1

タイトル 消P-410:

プロトンポンプ阻害薬の投与とClostridium difficile感染の関連性についての検討

演者 川越 圭(杏林大・3内科)
共同演者 土岐 真朗(杏林大・3内科), 倉田 勇(杏林大・3内科), 村山 隆夫(杏林大・3内科), 内田 康仁(杏林大・3内科), 田部井 弘一(杏林大・3内科), 畑 英行(杏林大・3内科), 蓮江 智彦(杏林大・3内科), 比嘉 晃二(杏林大・3内科), 田内 優(杏林大・3内科), 中村 健二(杏林大・3内科), 山口 康晴(杏林大・3内科), 森 秀明(杏林大・3内科), 高橋 信一(杏林大・3内科)
抄録 【背景】近年,疫学研究および動物実験から,プロトンポンプ阻害薬(PPI)の投与により,腸内細菌叢の異常やC. difficileを介する抗菌薬による偽膜性腸炎などのC. difficile関連疾患(CDAD)を誘発し,またCDADに対する初回治療成功後の再発と関連することが報告されている.今日,高齢者への抗血小板薬やNSAIDsに起因した出血性胃潰瘍の予防として,PPIの併用が増加してきている現状もあり,今回,我々はCDADとPPI投与に伴うCDAD発症と再発のリスクについて検討した.【方法】2009年7月から2010年6月の1年間で,CDADが疑われた患者697例のうち,C. difficile毒素A/Bが検出された111例に関して患者背景をレトロスペクティブに検討した.検討項目は,PPIの投与の有無により,投与ありをPPI群(平均投与期間は367日),投与なしを非PPI群とし,入院期間,基礎疾患の有無,抗菌薬の投与期間,抗血小板薬やNSAIDs内服の有無,再発率について比較検討した.【結果】C. difficile毒素A/Bが検出された111例中,PPI群は71例,非PPI群は40例であった.基礎疾患の有無,抗菌薬投与期間については両群間に有意差を認めなかったが,抗血小板薬やNSAIDs内服の有無(PPI群19例 vs 非PPI群0例,p=0.02)はPPI群に有意に多く,入院期間もPPI群90日 vs 非PPI群57日,p=0.03)とPPI群で有意に長く,再発率もPPI群6例,非PPI群0例(p=0.02)と有意にPPI群で高い結果であった.【考察】CDADの中で,PPI群の方が,非PPI群と比較して,有意に入院期間の長期化を認め,さらに再発率もPPI群で高いことから,CDADとPPI投与の関連が示唆された.抗血小板薬やNSAIDsを内服していない患者へのPPIの長期投与に関しては,CDAD発症及び再発のリスクも考慮し,慎重に行うべきと考えられた.
索引用語 CDAD, PPI