セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸-その他1 |
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タイトル | 消P-411:下血時の内視鏡検査前の腹部CTの有用性の検討 |
演者 | 関 志帆子(大森赤十字病院・消化器内科) |
共同演者 | 西郡 修平(大森赤十字病院・消化器内科), 大塚 由紀(大森赤十字病院・消化器内科), 高橋 昭裕(大森赤十字病院・消化器内科), 浜中 潤(大森赤十字病院・消化器内科), 井田 智則(大森赤十字病院・消化器内科), 諸橋 大樹(大森赤十字病院・消化器内科), 太原 洋(大森赤十字病院・消化器内科), 後藤 亨(大森赤十字病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】下血に対して適切な内視鏡検査を施行するために病変部位の同定は重要である。当科では内視鏡前に腹部CTを施行し、病変部位の同定に活用しているが、今回それが実際に部位の同定に有用であったか検討した。【方法】対象は2009年1月から2010年6月までに下血を主訴に来院し、上部か下部か出血部位の判定が困難であった66例(男:女=40:26、平均年齢66歳)を対象とした。内視鏡検査前に腹部単純CT検査を撮像し、出血部位が上部もしくは下部かという類推が可能であるかを検討した。上部の出血を疑わせるCT所見は胃内に高吸収域を認めるもの、もしくは明らかに胃壁の異常を認めるものとし、下部の出血を疑わせるものは腸管の壁肥厚もしくは憩室腫瘍等の存在とした。結果を直後の内視鏡所見と比較検討した。【結果】対象のうち出血部位を上部と判断したものは9例、下部が29例、同定不可が28例であった。上部と判断したものの内、実際に出血性病変を認めたものは4例(44%)であり、その内訳はAGML1例、胃潰瘍1例、胃癌2例であった。他の5例は病変を認めなかった。下部と判断したものの内、実際に出血性病変を認めたものは23例(79%)であり、内訳は虚血性腸炎9例、大腸癌8例、憩室3例、直腸病変4例、潰瘍性大腸炎1例であった。病変を認めなかったものは上部の病変3例、胆道系1例であった。一方CTで同定不可であった28例の中で、下部の病変が12例、上部が14例、出血源不明2例であった。上部の中には消化性潰瘍が10例含まれており、うち5例は止血術を必要とする病変であった。【結語】下血に対する内視鏡前のCT検査は、下部の出血性病変に対する予測には有用であったが、上部の疾患に対する有用性は認められなかった。 |
索引用語 | 消化管出血, X線CT |