セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-その他1

タイトル 消P-412:

大腸憩室出血の診療に造影CTは有効か?

演者 尾花 貴志(仙台市医療センター仙台オープン病院・消化器内科)
共同演者 平澤 大(仙台市医療センター仙台オープン病院・消化器内科), 菅原 俊樹(仙台市医療センター仙台オープン病院・消化器内科), 大平 哲也(仙台市医療センター仙台オープン病院・消化器内科), 原田 喜博(仙台市医療センター仙台オープン病院・消化器内科), 前田 有紀(仙台市医療センター仙台オープン病院・消化器内科), 山形 拓(仙台市医療センター仙台オープン病院・消化器内科), 小池 良樹(仙台市医療センター仙台オープン病院・消化器内科), 鈴木 憲次郎(仙台市医療センター仙台オープン病院・消化器内科), 山本 康央(仙台市医療センター仙台オープン病院・消化器内科), 枡 かおり(仙台市医療センター仙台オープン病院・消化器内科), 日下 順(仙台市医療センター仙台オープン病院・消化器内科), 藤田 直孝(仙台市医療センター仙台オープン病院・消化器内科)
抄録 【目的】大腸憩室出血の診療における造影CTの有用性を検討すること。【対象および方法】血便を主訴に当センターを受診し最終的に大腸憩室出血と確診あるいは疑診された43症例のうち、造影CTおよび全大腸内視鏡検査を施行した32例 (2010.4 - 2011.2)を検討の対象とした。MDCT装置は東芝メディカルシステムズ社製Aquilion (64列)を使用した。イオパミロン1.5ml/sec×60 secで造影を行い、造影開始90 sec後より1相で撮影を行った。読影は内視鏡検査を担当しない放射線科専門医が行った。なお、初回内視鏡検査は原則として無処置で行った。【検討項目】1. 造影CTによる憩室出血の検出率、2. 内視鏡による責任憩室の同定率、について検討を行った。【結果】対象例の男女比は21:11、平均年齢69歳(36-94)、来院からCT撮影までの平均時間は85分(26-385)、CT撮影から内視鏡開始までの平均時間は227分(10-1096)であった。1.造影剤の腸管内への漏出あるいは腸管壁の濃染(造影CT陽性)を診断基準とすると、造影CTによる憩室出血の検出率は22% (7/32)であった。2.無処置での初回内視鏡による同定率は13% (4/32)と低かった。最終的な責任憩室の同定率は34% (11/32)であり、多くがPEG内服後の再検により判明していた。造影CT陽性例では同定率43% (3/7)、陰性例では32% (8/25)と前者でやや高いものの、有意差はなかった(P=0.593)。 造影CT陽性例では、内視鏡的に同定された責任憩室の存在部位はCTで検出された区域と一致していた。【結論】造影CTによる憩室出血の検出率は、無処置での内視鏡検査による責任憩室の検出率よりは高いものの充分な成績とは言えなかった。造影法や検査のタイミングなどにつき今後検討を加える必要がある。
索引用語 大腸憩室出血, 造影CT