セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸-その他1 |
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タイトル | 消P-413:当院で経験した大腸憩室出血に対するバリウム充填療法の治療効果の検討 |
演者 | 瀧田 麻衣子(東京都済生会中央病院・消化器内科) |
共同演者 | 中澤 敦(東京都済生会中央病院・消化器内科), 岸野 竜平(東京都済生会中央病院・消化器内科), 関 恵理(東京都済生会中央病院・消化器内科), 鳩貝 健(東京都済生会中央病院・消化器内科), 岩崎 栄典(東京都済生会中央病院・消化器内科), 泉谷 幹子(東京都済生会中央病院・消化器内科), 前田 憲男(東京都済生会中央病院・消化器内科), 金田 智(東京都済生会中央病院・放射線科), 塚田 信廣(東京都済生会中央病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】大腸憩室出血は下部消化管出血の40%を占めて、日常診療でしばしば遭遇する疾患である。憩室出血の70-80%は自然止血されるが、再出血率は22-38%と高頻度に認められ、臨床的に問題となっている。近年、高濃度バリウム充填により良好な止血効果が得られたとする報告が散見される。【方法】当院において2007年1月から2011年1月の4年間にバリウム充填療法を施行した27例(30回)について再出血率を含めた長期経過を検討した。【成績】患者背景は男性24人、女性4人、平均年齢73.5歳であった。出血した憩室の部位は上行・横行結腸11例、下行・S状結腸14例、両側が5例であった。内視鏡的に出血点の同定が可能であったのは9例(上行結腸5例、S状結腸4例)で全例で止血処置(クリップ5例、局注とクリップ4例)を施行した。バリウム充填療法を施行した27例(30回)のうち1ヶ月以降の長期的再出血は3例、10%と良好な止血効果を得た。一方、1ヶ月以内の短期的再出血例は2例で、うち1例は外科にて緊急手術となった。平均入院日数は9.66日で同期間に憩室出血で入院したバリウム充填非施行例の8.58日と比較すると長期となっていた。これはバリウム充填施行例の方が内視鏡的止血困難例など重症例が含まれているためと考えられる。バリウム充填の方法については報告により異なるが、当院では硫酸バリウム注腸剤(100W/V%)を憩室の部位に応じて300-600mlを注腸している。最高齢は94歳であるが、いずれも偶発症なく施行された。最近、バリウム充填術施行後に短期間に2度の出血を認めた本法抵抗例を経験したので、症例を提示して問題点の検討を行なう。【結論】出血源の同定が困難な大腸憩室出血や1次止血後の再出血予防にバリウム充填療法は有効であり、文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 大腸憩室出血, バリウム充填療法 |