セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸-その他1
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タイトル |
消P-414:大腸憩室出血症例の再出血要因と適切な入院期間の検討
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演者 |
藤野 靖久(岩手医大・救急医学) |
共同演者 |
井上 義博(岩手医大・救急医学), 小野寺 誠(岩手医大・救急医学), 菊池 哲(岩手医大・救急医学), 小豆嶋 立頼(岩手医大・救急医学), 遠藤 重厚(岩手医大・救急医学), 鈴木 一幸(岩手医大・消化器・肝臓内科) |
抄録 |
【目的】大腸憩室出血症例の早期の再出血要因を検討し,適切な入院期間を示す.【対象および方法】1980~2010年に当科に搬送された大腸憩室出血症例95例を対象とした(年齢23~92,平均63.8歳.男/女比72/23).早期の再出血を認めた群をA群,認めなかった群をB群とし,患者背景,臨床症状,検査成績,治療法について比較した.さらに,再出血までの時間を分析し,適切な入院期間について検討した.【成績】(A群 vs. B群)平均年齢は62.4歳,64.3歳.男/女は19/5,53/18.憩室出血歴の有/無は5/19,12/59.抗凝固剤または抗血小板剤服用の有/無は4/20,9/62.経過中の最低血圧は平均96 mmHg,118 mmHg(p<0.01).血圧低下を含めたショック徴候の有/無は10/14,6/65(p<0.01).治療法(入院時自然止血/クリップ法/TAE/外科的手術)(重複あり)は15/11/1/0,58/14/4/5とA群で入院時自然止血例に比べクリップ法例が有意に多かった(p<0.05).入院時Hbは平均11.4 g/dL,10.9 g/dL,最低Hbは平均7.9 g/dL,9.3 g/dL(p<0.05).血小板数は平均24100/mm3,22800/mm3.総蛋白は平均6.2 g/dL ,6.2 g/dL.輸血量は平均5.6単位,2.2単位(p<0.05).(再出血までの時間)全体では4~223,平均65.0時間.治療法別では入院時自然止血4~126,平均60. 1時間,クリップ法28~223,平均71.1時間,TAEは1例のみで84時間,手術例では再出血例はなかった.ショック徴候の有/無で比較すると有は28~223,平均79.4時間,無は4~126,平均53.8時間【結論】A群ではショック症例が多く再出血要因と考えられた.A群では入院時自然止血例に比較しクリップ法施行例が多かったが,より太い血管の破綻等出血の重症度を反映していると思われた.入院時自然止血例やショック徴候を認めない例の再出血までの時間は最大126時間であり入院期間は6日程度で良いが,ショック症例やクリップ法を要した症例は最大223時間でありもう少し長目の入院が必要と思われた. |
索引用語 |
大腸憩室出血, 再出血 |