セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-その他2

タイトル 消P-418:

放射線性直腸炎(radiation proctitis)の最初エピソード患者における経口及び局所用 mesalazine組み合わせ療法の効能

演者 Y.S Moon(Inje University College of Medicine)
共同演者 E.H Seo(Inje University College of Medicine), T.O Kim(Inje University College of Medicine), T.G Kim(Inje University College of Medicine), H.R Joo(Inje University College of Medicine), J.H Park(Inje University College of Medicine), S.H Park(Inje University College of Medicine), S.Y Yang(Inje University College of Medicine), M.J Park(Inje University College of Medicine), D.Y Ryu(Inje University College of Medicine), G.A Song(Inje University College of Medicine)
抄録 背景/目的 放射線性直腸炎 (radiation proctitis)は適正な治療法が決定されずにそのまま残った骨盤放射線でよく見られる合併症である。我々はこれまで経験したことのない放射線性直腸炎 (naïve radiation proctitis)を持つ患者で経口及び局所用 mesalazine組み合わせ療法の効能を評価した。 方法 計23名の放射線性直腸炎患者が2年の間に試験の対象として登録された。 これらの患者のうち3名は試験で激しい出血がおこしたので除外した。 20名の患者 (平均年齢60.3歳、男性 2名、女性 18名)を4週間 経口 mesalazine (3x1 g per day) + 毎日 mesalazine 座剤(睡眠時 1g/day)で治療した。 治療効能としては、直腸毒性の臨床症状軽の減及びS字結腸の内視鏡所見をSubjective Objective Management Analytic (SOMA) Scale に基づいて評価した。 結果 平均出血スコアはmesalazine 治療により 2.10より1.70へと有意に向上した。 (P=0.002). しかし、痛み (0.30から 0.20, P=0.163)、裏急後重 (tenesmus) (0.50から 0.45, P=0.577), あるいは排便頻度 (0.35から 0.30, P=0.577)の スコアは向上しなかった。 平均毛細管拡張症スコア (telangiectasia score) (1.80から 1.45, P=0.005), 出血スコア (bleeding point score) (1.60から 1.05, P 0.001), 及び friable mucosaスコア (1.35 to 1.00, P=0.005)の向上はいずれも統計学的に有意であった。副作用を認めた患者はいなかった。結論 放射線性直腸炎に対する経口及び局所用mesalazine の組み合わせ療法はいままで経験したことのない放射線性直腸炎 (naïve radiation proctitis), 特に出血性直腸炎においては安全かつ有効な治療法である可能性がある。このパイロット(pilot)試験の結果を確認するためには大規模の無作為対照試験が必要となる。
索引用語 放射線性直腸炎, mesalazine組み合わせ療法の効能