セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-その他3

タイトル 消P-422:

当科における虚血性大腸炎49例の検討

演者 青木 隼人(市立秋田総合病院・消化器・代謝内科)
共同演者 辻 剛俊(市立秋田総合病院・消化器・代謝内科), 石井 元(市立秋田総合病院・消化器・代謝内科), 津田 聡子(市立秋田総合病院・消化器・代謝内科), 中根 邦夫(市立秋田総合病院・消化器・代謝内科), 小松 眞史(市立秋田総合病院・消化器・代謝内科)
抄録 【目的】当院での虚血性大腸炎患者の発症因子について検討する。【方法】当科において2007年5月から2011年1月の期間、内視鏡検査で虚血性大腸炎と診断された49症例を対象とした。発症年齢、性差、発症季節、便秘の有無、背景疾患、抗凝固薬使用の有無について比較検討とした。【結果】発症年齢は、60±15才(28~88才)で、男性22例、女性27例であった。若年発症の症例(40才未満)は6例(12%)であった。全例が一過性型であり、狭窄型、壊死型はみられなかった。発症季節では、春夏季(3~8月)は18症例(37%)、秋冬季(9~2月)は、31症例(63%)で寒い時期の発症が多かった。背景疾患では、22例(45%)に動脈硬化に関係があるとされる虚血性疾患、高血圧、糖尿病、脂質異常症をもっており、65才以上(78%)は65才未満(29%)と比較して有意に背景疾患を持っていた(p<0.01)。便秘は16例(33%)に認められ、男性は23%、女性は41%であった。便秘の頻度は65才未満では31例中12例、65才以上では18例中4例で有意差はないものの、多い傾向があった。抗凝固薬は、65才未満では1症例のみ投与されており、65才以上では9症例で投与されており有意差を認めた(p<0.01)。【結論】今回の検討では、すべての症例が一過性の虚血性大腸炎であった。高齢者発症のみではなく、若年者にもみられた。65才以上では、背景疾患を持っている症例での発症が多く、65才未満は便秘のある人が多い傾向があった。
索引用語 虚血性大腸炎, 発症因子