セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸-症例報告1 |
---|---|
タイトル | 消P-431:初期にうつ病と診断された大腸癌原発の髄膜癌腫症の一例 |
演者 | 飯沼 瑞恵(横浜労災病院・消化器科) |
共同演者 | 藤田 祐司(横浜労災病院・消化器科), 江塚 明子(横浜労災病院・消化器科), 内山 詩織(横浜労災病院・消化器科), 小島 拓人(横浜労災病院・消化器科), 日暮 琢磨(横浜労災病院・消化器科), 村瀬 貴之(横浜労災病院・消化器科), 谷 理恵(横浜労災病院・消化器科), 川名 憲一(横浜労災病院・消化器科), 大谷 節哉(横浜労災病院・消化器科), 永瀬 肇(横浜労災病院・消化器科), 中山 崇(横浜市立大附属病院・病理部), 上田 直久(横浜市立大附属病院) |
抄録 | 【症例】81歳、女性。2009年11月頃より腹痛・食欲低下が出現し、その後食事摂取困難となった。1月精神科を受診しうつ病が根本にあることが疑われ、当院精神科受診し医療保護入院となった。入院翌日嘔吐したため頭部CT検査施行したところ、側脳室の拡大を認め水頭症の状態であった。髄液検査施行すると鏡検で細胞数の増加を認め、髄膜炎が疑われたため、デキサメタゾン・MEPM・抗ヘルペス薬・抗結核薬・抗真菌薬の投与を開始した。治療開始後、意識レベルはJCS3-100程度であったが、入院4日目名前を言ったり指示に従ったりすることができるようになった(JCS1-2)。腹部CTで、上行結腸に全周性の壁肥厚・周囲のリンパ節の腫大・左副腎の腫大が認められ、上行結腸癌・左副腎転移が疑われた。髄液検査・血液培養・β-Dグルカン陰性より細菌性・真菌性が除外されMEPM・抗真菌薬を中止し、結核菌PCR陰性であることより抗結核薬を中止した。その後髄液細胞診でclass 5(adenocarcinoma,poorly diff)が検出され、上行結腸癌原発の髄膜癌腫症が意識障害の原因として考えられた。入院5日目より意識レベルの低下を認め、入院23日目永眠された。【剖検報告】上行結腸原発の低分化型腺癌(粘液癌成分を伴っている)の所見を得た。転移は、左副腎・甲状腺・膵頭部・下垂体・髄膜癌腫症(脊髄・脳幹・小脳・大脳)・腸間膜リンパ節・腹部大動脈周囲リンパ節であった。【結語】髄膜癌腫症は、消化器悪性腫瘍においては胃癌が最も多く,大腸癌は稀である。今回我々は初期にうつ病と診断された大腸癌原発の髄膜癌腫症の一例を経験したので文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 髄膜癌腫症, 癌性髄膜炎 |