セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-症例報告1

タイトル 消P-433:

mFOLFOX6+Bevacizumabによる治療開始後に脾臓が増大し、Oxaliplatin休薬により脾臓が縮小した大腸癌の2例

演者 本告 成淳(化学療法研究所附属病院・内科)
共同演者 鵜梶 実(化学療法研究所附属病院・内科), 税所 宏光(化学療法研究所附属病院・内科), 古瀬 純司(杏林大・腫瘍内科学)
抄録 Oxaliplatinを含む化学療法により肝類洞障害が生じ、その結果、門脈圧が亢進し、脾腫を生じる例があることが知られている。しかしながら、oxaliplatinを含む化学療法中止またはレジメン変更後の脾腫の可逆性については未だ報告が少ない。今回我々は、oxaliplatinを含む化学療法により脾臓が増大し、oxaliplatinの休薬により縮小した大腸癌の2例を報告する。なお脾臓の体積測定は医用画像処理ワークステーションZIOSTATION(ザイオソフト株式会社、東京)を用いた。3Dマスクツールを適宜使用し、必ずマスク領域をAxial/Coronal/Sagittal画像で確認し、マスク領域を脾臓と完全に一致させ、3D画像を作成した。脾内の血管は脾臓体積に含ませることとした。3D画像作成は同一CTで連続3回行い、その体積の平均値をもって脾臓の体積とした。症例1;54歳、女性。多発肝転移を伴う大腸癌の診断で2009年7月当院内科初診。同年8月よりmFOLFOX6+bevacizumabによる化学療法を開始した。治療開始前137.82 mlであった脾臓は治療開始2ヶ月後160.96 mlに増大した。6コース終了後神経障害のためoxaliplatinのみを休薬したところ151.58 mlに縮小した。神経障害改善後にoxaliplatinを再導入したところ脾臓は177.48 mlに増大したものの、再びoxaliplatinのみを休薬したところ158.52 mlに縮小した。症例2;68歳、男性。多発肝転移を伴う大腸癌の診断で2009年2月当院内科初診。同月よりmFOLFOX6+bevacizumabによる化学療法を開始した。治療開始前105.84 mlであった脾臓は治療開始10ヶ月後までに徐々に228.54 mlにまで増大した。その後sLV5FU2+bevacizumabさらにirinotecan単剤へと移行したところ197.06 mlに縮小した。oxaliplatin投与によって脾臓は増大するものの、oxaliplatinを休薬すれば脾臓の増大は可逆的である可能性がある。
索引用語 脾種, oxaliplatin