セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-症例報告2

タイトル 消P-434:

腹腔鏡下右半結腸切術後内ヘルニアに起因する絞扼性イレウス

演者 村田 幸平(市立吹田市民病院・外科)
共同演者 加藤 亮(市立吹田市民病院・外科), 牧野 俊一郎(市立吹田市民病院・外科), 西垣 貴彦(市立吹田市民病院・外科), 大和田 善之(市立吹田市民病院・外科), 村上 昌裕(市立吹田市民病院・外科), 岡田 一幸(市立吹田市民病院・外科), 柳沢 哲(市立吹田市民病院・外科), 井出 義人(市立吹田市民病院・外科), 岡村 修(市立吹田市民病院・外科), 戎井 力(市立吹田市民病院・外科), 横内 秀起(市立吹田市民病院・外科), 衣田 誠克(市立吹田市民病院・外科)
抄録 はじめに:腹腔鏡下右半結腸切除において、開腹手術では行われているのに省略される手技として、腸間膜の修復がある。行うことのメリットは実証されていないものの、省略する理論的根拠も乏しい。腸間膜の欠損が大きければ、内ヘルニアになっても絞扼性イレウスになることは少ないとも言われているが、本当であろうか。我々は、進行大腸癌に対する腹腔鏡下右半結腸切除後、腸間膜欠損部への内ヘルニアから腸間膜の血流障害を生じ、小腸大量切除を余儀なくされた1例を経験したので報告する。症例:70歳女性。盲腸進行癌にて腹腔鏡下右半結腸切除D3郭清施行。ステージIIで術後経過良好にて術後8日目に退院。退院後1週間で腹痛にて入院、イレウス症状および腹膜炎症状が増悪したため、緊急手術。腸間膜欠損部に小腸が内ヘルニアを起こし、捻転を伴って小腸約70cmが血流不良となっており、一部で穿孔していた。吻合部も含めて約90cmの回腸を切除し、口側小腸にて一時ストマ。後日ストマ閉鎖もできたが、QOLは著しく損なわれた。結語:本症例は腸間膜修復をしていれば未然に防止できた。このようなケースは、頻度としてはごく低いものの、合併症をゼロに近づける努力は常に行われるべきであり、そのための10分程度の手術時間の延長は許されるものと考える。その後、腹腔鏡下右半切では腸間膜の完全修復を鏡視下で全例に行っている。
索引用語 腹腔鏡, 絞扼性イレウス