セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-症例報告2

タイトル 消P-439:

虫垂憩室症の3例

演者 鈴木 邦士(静岡市立清水病院・外科)
共同演者 平出 貴乗(静岡市立清水病院・外科), 武田 真(静岡市立清水病院・外科), 東 幸宏(静岡市立清水病院・外科), 小路 毅(静岡市立清水病院・外科), 谷口 正美(静岡市立清水病院・外科), 山崎 將典(静岡市立清水病院・外科), 丸尾 啓敏(静岡市立清水病院・外科), 米川 甫(静岡市立清水病院・外科)
抄録 虫垂憩室症はまれな疾患である。術前診断が困難であり、急性虫垂炎の診断で手術され、術中または術後の病理学的検索で診断されることが多い。また、無症候で偶発的に発見されることもあるが、海外ではその穿孔の可能性の高さから待機的に手術をすることとなっているものの、本邦では一定の見解は出ていない。今回我々は2005年1月から2010年12月の間に3例の虫垂憩室症を経験した。虫垂憩室は結腸憩室に比べ穿孔の可能性が高いとされ、手術中に偶然発見されたものに関しては予防的切除をするべきと考える。若干の文献的考察を加えて報告する。
症例1:73歳男性。2006年6月、肛門ポリープの術前精査のため大腸内視鏡検査を施行したところS状結腸に1型腫瘍を認めS状結腸癌と診断、S状結腸切除術を施行した。その際腹腔内検索にて偶然、虫垂憩室症が指摘され虫垂切除術を併施した。症例2:63歳男性。2010年9月下旬より腹痛を自覚。10月上旬、内科にて大腸内視鏡検査を施行、上行結腸のポリープに対しEMRを行った。また、上行結腸には憩室が多発していた。その後腹痛が増強し内視鏡検査の2日後に救急車で来院、CTにて上行結腸憩室穿孔またはEMR後の穿孔による腹腔内膿瘍と診断、緊急手術を施行した。開腹すると上行結腸に多発性の憩室を認めたが穿孔は見られず、虫垂穿孔による腹腔内膿瘍と判明した。手術は虫垂切除術および腹腔内洗浄ドレナージを施行。切除標本の肉眼的・病理学的所見から虫垂憩室穿孔と診断した。
症例3:52歳女性。2010年12月、3日間続く腹痛を主訴に当院産婦人科を受診、精査にて急性虫垂炎の疑いで当科紹介受診となった。CT上、糞石を伴う急性虫垂炎であり、同日虫垂切除術を施行。炎症は虫垂の先端部に限局しており、肉眼的・病理学的所見から虫垂憩室炎と診断した。
索引用語 虫垂憩室症, 虫垂憩室炎