セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-症例報告2

タイトル 消P-440:

IVRが施行された大腸憩室出血の4例

演者 池端 敦(岩手県立中央病院・消化器科)
共同演者 三浦 真奈美(岩手県立中央病院・消化器科), 高橋 太郎(岩手県立中央病院・消化器科), 天野 良彦(岩手県立中央病院・消化器科), 小原 範之(岩手県立中央病院・消化器科), 城戸 治(岩手県立中央病院・消化器科), 金澤 義丈(岩手県立中央病院・消化器科)
抄録 内視鏡的止血術が困難な大腸憩室出血では緊急手術を要することがある.今回,IVRにより緊急手術を回避できた大腸憩室出血例を経験したので報告する.【症例1】62歳男性.血便にて入院.心筋梗塞,糖尿病の既往あり,アスピリン,降圧剤を内服中.CTで上行結腸憩室がみられたが,緊急内視鏡では出血源は不明であった.保存的治療にて軽快退院したが,2日後血便,Hb4.6g/dlの貧血にて再入院となった.血便が続くため8単位輸血後に血管造影を施行した.右結腸動脈末梢に不整な血管影がありスポンゼルにて塞栓術を施行した.処置後は順調に回復した.【症例2】66歳男性.血便にて入院.狭心症,脊柱管狭窄症にてアスピリン,抗血小板剤を服用中.経口腸管洗浄剤の内服後に血圧低下しショック状態となった.輸血を施行し緊急血管造影を施行した.中結腸動脈末梢に造影剤の血管外漏出がみられコイルによる塞栓術を施行した.処置後は順調に回復した.【症例3】80歳女性.受診2日前から血便あり入院.糖尿病,高血圧の治療中.CTでは出血源は不明であった.4単位輸血を施行し,翌日経口腸管洗浄剤内服後に内視鏡を施行したが出血源は不明であった.第5病日に大量の血便があり,緊急血管造影を施行した.右結腸動脈末梢に小濃染域がみられスポンゼルにて塞栓術を施行した. IVR施行5日後に待機的に回盲部腸切除術が施行された.切除標本では上行結腸憩室がみられたが出血源は不明であった.【症例4】80歳男性.前立腺癌の既往あり.1年前と6ヵ月前に下部消化管出血にて入院し輸血,保存的治療にて退院した.今回も血便にて入院.降圧剤を内服中.CTで上行結腸憩室に造影効果がみられた.輸血施行したが血圧低下のため緊急血管造影を施行した.回結腸動脈末梢に斑状濃染像がみられスポンゼルにて塞栓術を施行した.翌日待機的に回盲部腸切除術が施行された.上行結腸に多数の憩室がみられたが出血源は不明であった.【結語】 内視鏡的止血術が困難な大腸憩室出血例では,IVRは侵襲が少なく有効な方法である.
索引用語 大腸憩室出血, IVR