セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-症例報告3

タイトル 消P-441:

ワーファリン療法によって炎症の改善と長期に進展抑制が可能であった静脈硬化性大腸炎の1症例

演者 飯田 智広(桐生厚生総合病院・内科)
共同演者 井上 照基(桐生厚生総合病院・内科), 今泉 淳(桐生厚生総合病院・内科), 高草木 智史(桐生厚生総合病院・内科), 斉藤 秀一(桐生厚生総合病院・内科), 古謝 亜紀子(桐生厚生総合病院・内科), 安岡 秀敏(桐生厚生総合病院・内科), 丸田 栄(桐生厚生総合病院・内科)
抄録 静脈硬化性大腸炎は、原因不明の静脈硬化による虚血性腸炎である。本邦に多く報告されているが比較的まれな疾患で、治療法も確立していない。また病変範囲も徐々に進展し結腸切除が必要になることも少なくない。【症例】77歳、女性【主訴】下痢、右下腹部痛【既往歴】高血圧、帯状疱疹、高脂血症【現病歴】2008年6月便潜血陽性で大腸ファイバーを近医で施行。盲腸から上行結腸に、発赤、粘膜浮腫を認めたが原因が確定できず。10月にも大腸ファイバーを施行。同部位に不整形潰瘍と大腸粘膜が青銅状に変化していた。生検で確定診断できず。大学病院に紹介され静脈硬化性大腸炎と診断。SASP、EPA製剤を開始。その後は一旦症状改善。内服を継続していたが12月ごろ1日5行の下痢、右下腹部痛が増悪し12月19日に当院に受診し加療目的に入院。入院時大腸ファイバーでは、盲腸から下行結腸の青銅状色調、不整形の易出血性潰瘍を認めた。右半結腸領域の静脈の石灰化を認めていた。禁食だけでは改善乏しく、高圧酸素療法を開始したが3日で継続できず、すでにEPAも投与されていたため全身ワーファリン化を行った。ワーファリン開始後に下痢、腹痛は改善。経口摂取も可能となり退院。現在に至るまでワーファリン療法を継続しているが、下痢、腹痛の悪化なく再検の大腸ファイバーでも、粘膜の青銅状色調は変わらないが、潰瘍は瘢痕化しておりまた病変の罹患範囲の進展も認めていない。発症から約2.5年経過しているがワーファリン療法で、病状をコントロールできた症例であった。本疾患は保存的に症状が改善する軽症例も存在するが病状や罹患範囲が急速に進行し手術が必要となる症例の報告も多数認める。今回われわれは、SASP、EPAで効果がなく、全身のワーファリン化で症状と大腸の炎症の改善とワーファリン療法の継続により病変範囲の進展抑制を維持できた症例を経験したので若干の考察を加え報告する。
索引用語 虚血性腸疾患, 静脈硬化性腸炎