セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 113:進行再発大腸癌に対するFOLFOX4の使用経験 |
演者 | 松山 悟(佐賀大学 医学部 一般・消化器外科) |
共同演者 | 中房 祐司(佐賀大学 医学部 一般・消化器外科), 神谷 尚彦(佐賀大学 医学部 一般・消化器外科), 下西 智徳(佐賀大学 医学部 一般・消化器外科), 田中 雅之(佐賀大学 医学部 一般・消化器外科), 大塚 隆生(佐賀大学 医学部 一般・消化器外科), 三好 篤(佐賀大学 医学部 一般・消化器外科), 佐藤 清治(佐賀大学 医学部 一般・消化器外科), 宮崎 耕治(佐賀大学 医学部 一般・消化器外科) |
抄録 | 【目的】欧米において進行再発大腸癌に対する標準的な化学療法であるFOLFOX療法が、2005年4月より本邦でも行えるようになり、今回、これまで当科で行ったFOLFOX4の治療経験からFOLFOX4の効果や問題点について検討した。【方法】2005年4月~2006年1月末までにFOLFOX4を施行した9例について画像上の効果(RECISTによる)、腫瘍マーカーの推移、予後、医療費の面から検討した。【FOLFOX4施行方法】金曜日に入院し採血。採血上異常なければ土曜日から月曜日午前中まで加療し、異常なければ同日退院し(3泊4日)2週間毎に繰り返す。【対象】男性:女性=7:2、平均年齢69.6歳(56~85歳)、原発巣 結腸:直腸=3:6。全例前治療歴を有する。【結果】主な有害事象:好中球減少grade 3 3例、grade 4 1例を認めたが全例G-CSF製剤等を使用して治療の継続が可能であった。また、1例に3ヶ月間続くgrade 2の末梢神経障害を認め治療を中止した。治療効果;効果判定に際しては、病状進行による全身状態悪化で加療を中止した2例を対象外とし,最良総合効果PR;1例、SD;5例(有効率1/7、14%、SD以上の効果6/7、86%)、総合効果SD 3例、PD5例であった。腫瘍マーカーの推移;8例で一時的ではあるが腫瘍マーカーの減少を認めた。予後;治療的化学療法開始時点から1月末までの生存期間 1年未満;1例、2年未満4例、3年未満3例、4年以上1例。1例死亡、8例生存中。医療費;包括医療制度下では主病名や副傷病名の有無によっては1回の入院当たり約6000点の病院負担が生じる場合があった。【結論】FOLFOX4をsecond line移行に使用した場合の有効率は14%であったが、SD症例を含めると86%の症例に効果を認めており、FOLFOX4による延命効果が期待できることが示唆された。重篤な有害事象は認められなかったもののFOLFOX4の治療には入院を必要とすることから患者のQOLを損なっていると考えられ、また、包括医療制度下では病院負担が生じることがあるので、外来治療が行いやすいmFOLFOX6へ移行すべきではないかと考えられた。 |
索引用語 | 大腸癌, FOLFOX4 |