セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-症例報告3

タイトル 消P-442:

重症大腸炎に続発した血栓性微小血管障害症(TTP/HUS)の1例-血漿ADAMTS13活性の動態検討を含めて-

演者 樺 俊介(横須賀共済病院・消化器病センター内科)
共同演者 田島 祐樹(横須賀共済病院・消化器病センター内科), 仁部 洋一(横須賀共済病院・消化器病センター内科), 細谷 明徳(横須賀共済病院・消化器病センター内科), 永田 紘子(横須賀共済病院・消化器病センター内科), 森主 達夫(横須賀共済病院・消化器病センター内科), 松本 太一(横須賀共済病院・消化器病センター内科), 原 誠(横須賀共済病院・消化器病センター内科), 鎌田 和明(横須賀共済病院・消化器病センター内科), 伊田 春菜(横須賀共済病院・消化器病センター内科), 田邊 陽子(横須賀共済病院・消化器病センター内科), 渡邉 秀樹(横須賀共済病院・消化器病センター内科), 新井 勝春(横須賀共済病院・消化器病センター内科), 鈴木 秀明(横須賀共済病院・消化器病センター内科), 小林 史枝(横須賀共済病院・消化器病センター内科), 池田 隆明(横須賀共済病院・消化器病センター内科)
抄録 【はじめに】腸管出血性大腸菌O-157関連腸炎の2.2%程度に溶血性尿毒症症候群(HUS)を合併すると報告されているが、多くは小児例である。今回、O-157が証明されない成人重症大腸炎で血栓性微小血管障害症(TTP/HUS)を合併した症例を経験し、血漿ADAMTS13〔von Willebrand因子の特異的切断酵素〕活性の推移を検討したので報告する。【症例】63歳、男性。主訴:腹痛、血性下痢。現病歴:2010年10年、誘因なく主訴出現。近医にてLVFX処方されるも、改善なく当科紹介、入院となった。入院時検査所見:WBC 32200/μL、Plt 16.9x104/μL、BUN 33 mg/dL、Cr 1.74 mg/dL。腹部CT:上行結腸に著明な浮腫性肥厚、周囲脂肪織炎。入院後経過:感染性腸炎として絶食、補液、抗菌薬投与開始。しかし、入院第3病日にBUN 73 mg/dL、Cr 2.89 mg/dLと腎機能増悪、Plt 4.9x104/μLと減少、破砕赤血球も出現した。腸炎に合併したHUSと診断し、血漿交換開始。3回施行後、臨床症状、検査所見は速やかに改善した。便培養、O-157LPS抗原/抗体は全て陰性であった。【ADAMTS13】発症時の活性値は0.5%未満(基準値:70-120%)と著減を認めた。11月下旬まで0.5%未満が続いたが、2011年1月 75.3%と正常化した。【考察】腸炎合併のHUSは、サイトカイン誘導による血小板活性化、血管内皮細胞障害が主原因であるが、TTPではインヒビターによりADAMTS13活性低下し、結果、超巨大分子構造vWFMが出現し血小板血栓が形成される。血漿交換はADAMTS13インヒビター除去効果を有し、TTPで有効とされる。本症例は、臨床像はHUSであるが、ADAMTS13活性低下を認め、機序としてはTTPと考えるのが妥当であり、血漿交換が奏功した理由と思われた。【結語】腸炎合併の成人HUS様症例でも、ADAMTS13活性が低下し、血漿交換著効例が存在する可能性が示唆された。
索引用語 溶血性尿毒症症候群, ADAMTS13