セッション情報 一般演題

タイトル 47:

大量出血制御目的で小腸大量切除を施行し短腸症候群をきたしたCrohn病の1例

演者 坂田 資尚(佐賀大学 医学部 消化器内科)
共同演者 大谷 響(佐賀大学 医学部 消化器内科), 下田 良(佐賀大学 医学部 消化器内科), 雨森 貞浩(佐賀大学 医学部 消化器内科), 山口 加奈子(佐賀大学 医学部 消化器内科), 綱田 誠司(佐賀大学 医学部 消化器内科), 坂田 祐之(佐賀大学 医学部 消化器内科), 岩切 龍一(佐賀大学 医学部 消化器内科), 大塚 隆生(佐賀大学医学部消化器外科), 中房 祐司(佐賀大学医学部消化器外科), 宮崎 耕治(佐賀大学医学部消化器外科), 藤本 一眞(佐賀大学 医学部 消化器内科)
抄録 【症例】65歳男性.【主訴】下血.
【現病歴および入院後経過】2004年11月下血を主訴に近医を受診.潰瘍性大腸炎の診断のもと加療を受けるも改善ないため当院転院となる.入院後大量下血のため行った上部下部消化管内視鏡検査,血管造影検査では出血源を同定できなかった.下血が続いたため開腹手術が行われ,術中内視鏡にて空腸から回腸広範囲にわたり敷石状変化と潰瘍形成,出血を認めた.小腸型Crohn病と診断し,口側30cm、肛門側50cmを残して小腸大量切除を行った.術後の短腸症候群に対し,グルタミンを含んだ経腸栄養を併用することで早期に中心静脈栄養からの離脱が可能であった.
【結語】Crohn病の大量出血は稀であるが,治療法として外科切除が行われることが多い.小腸を大量に切除されると短腸症候群をきたしQOLの低下を免れない.近年,残存腸管の代償能を促進させる方法や促進物質の研究が行われ治療での有用性が示されている.今回の経験では、グルタミンが術後の短腸症候群に対し,残存腸管の代償能を促進させるのに有効であった.
索引用語 クローン病, グルタミン