セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 145:膵腺扁平上皮癌の1例 |
演者 | 松永 浩明(北九州市立医療センター外科) |
共同演者 | 高山 成吉(北九州市立医療センター外科), 空閑 啓高(北九州市立医療センター外科), 斎村 道代(北九州市立医療センター外科), 田辺 嘉高(北九州市立医療センター外科), 末原 伸泰(北九州市立医療センター外科), 阿南 敬生(北九州市立医療センター外科), 西原 一善(北九州市立医療センター外科), 阿部 祐治(北九州市立医療センター外科), 井原 隆昭(北九州市立医療センター外科), 岩下 俊光(北九州市立医療センター外科), 玉江 景好(北九州市立医療センター外科), 光山 昌珠(北九州市立医療センター外科), 豊島 里志(北九州市立医療センター病理) |
抄録 | 我々は膵癌全体の2.1%と比較的稀な膵腺扁平上皮癌の1例を経験したので報告する。【症例】75歳、女性。平成17年7月7日、他院にて胃癌(H0P0n0mM0、stageIa)にて幽門側胃切除術を施行された。10月より左下腹部痛あり、血液検査にてCA19-9:1076U/ml、Elastase I:550と高値で、腹部CT検査にて膵鈎部に4cm大の腫瘤を認め膵頭部癌の診断で当科紹介となる。腹部CT:膵鈎部に辺縁が染まり内部は著明な壊死を伴う40mm大の腫瘤が存在し尾側膵管の著明な拡張を認めた。上部消化管内視鏡検査:十二指腸下行脚に著明な狭窄を生じ生検で低分化腺癌であった。経皮経肝的胆管造影:下部胆管は右側へ偏位し閉塞していた。MRI:T1でlow、T2でhigh intennsityな腫瘤を認めGd造影で辺縁が造影され中心は壊死を生じていた。MRCPでは膵頭部主膵管の狭窄を認めた。血管造影:門脈や主要動脈に浸潤や腫瘍濃染像は認めなかった。2006年1月17日膵頭十二指腸切除術(PD-IIA-1、D2+α)を施行。切除標本肉眼所見では膵鈎ー頭部に45x38x40mm大の結節浸潤型の境界明瞭な硬い白色腫瘤が存在した。病理組織学的診断は角化傾向を示す扁平上皮癌to腺癌を伴う腺扁平上皮癌であった。病期はTS3 H0 P0 CH+ DU+ S+ RP+ PV- A- PL+ OO- N3 T4 M1、stageIVBであった。【結語】通常の膵管癌に比較して豊富な血管増生と腫瘍内の壊死に伴う嚢胞状変化が認められたら、本疾患を考慮する必要がある。また、本疾患は切除症例でも平均生存期間が約6ヶ月と著明に予後不良である。 |
索引用語 | 膵, 腺扁平上皮癌 |