セッション情報 一般演題

タイトル 150:

慢性膵炎の急性増悪に膵頭部仮性動脈瘤を合併しIVRが有用であった1例

演者 森田 秀祐(高木病院 消化器内科)
共同演者 西田 宏二(高木病院 消化器内科), 菊野 基幸(高木病院 放射線科), 山本 匡介(高木病院 内科), 岩切 龍一(佐賀大学 医学部 消化器内科), 藤本 一眞(佐賀大学 医学部 消化器内科)
抄録 症例は44歳、男性。主訴は嘔気。以前よりアルコール性慢性膵炎を指摘され急性増悪にて入院歴数回あり。前回H17年5月下旬にも同様に入院し、保存的に軽快していた。H17年6月11日より上腹部痛、嘔気嘔吐、食欲不振が出現し6月12日に当院受診し入院した。理学所見では上腹部に圧痛を認めた。検査所見では白血球増多、貧血、血清アミラーゼ上昇を認めた。腹部エコー、腹部CTで膵頭部の腫大、石灰化、体尾部に膵管拡張を認めた。絶食、輸液、メシル酸ガベキサート、抗菌剤投与を行うも貧血が増悪したため、第5病日に腹部CTを行ったところ、膵頭部に3cmの造影される腫瘤を認め仮性動脈瘤と診断した。同日、腹部血管造影検査を行い、同部に25mm、5mmの仮性動脈瘤2個を認めた。各栄養動脈に対し、金属コイルにて塞栓術を行った。塞栓術後は仮性動脈瘤は描出されなくなった。その後腹腔動脈持続動注療法2日間と、メシル酸ガベキサート、抗菌剤投与を行い軽快した。慢性膵炎の急性増悪の経過中に仮性動脈瘤を合併し、経カテーテル的動脈塞栓術を行い、良好な経過が得られた症例を経験した。慢性膵炎の経過中に急な腹痛と貧血の増悪を認めた際には、仮性動脈瘤の合併を考慮して腹部造影CTや血管造影検査を検討する必要があり、仮性動脈瘤の治療には経カテーテル的動脈塞栓術が有用であると思われた。
索引用語 慢性膵炎, 仮性動脈瘤