| セッション情報 |
シンポジウム3
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| タイトル |
S3-002:腹囲・肝機能・メタボリックシンドローム
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| 演者 |
明石 隆吉(熊本地域医療センター ヘルスケアセンター) |
| 共同演者 |
柴田 勝之(熊本地域医療センター ヘルスケアセンター), 山内 すみよ(熊本地域医療センター ヘルスケアセンター), 吉村 睦美(熊本地域医療センター ヘルスケアセンター), 浜田 知久馬(東京理科大学工学部経営工学科) |
| 抄録 |
【目的】 生活習慣病は成人のみならず若年者にも発症してきており、社会的問題となっている。今回メタボリックシンドローム診断基準の骨幹となっている腹囲と肝機能などの各因子が相関するか検討する。【方法】2005年4月1日~12月31日までに当センターの一泊ドック受診者につき、腹囲の増加と、BMI、血圧、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、GOT、GPT、γ-GPT、尿酸、血糖、HbA1cの各値とに相関があるかスペアマン相関係数により検討する。【成績】受診者数421名(男335名、女86名)、年齢34才~84才(平均56.5才、中央値56.0才)であった。BMI(最低値16.8~最高値34.2、平均23.9、中央値23.7):rs=0.806、中性脂肪(23~604mg/dl、132.8mg/dl、111.0mg/dl):rs=0.444、GOT(12~349IU/l、26.3IU/l、23.0IU/l):rs=0.423、GPT(8~201IU/l、28.9IU/l、24.0IU/l):rs=0.422、HDLコレステロール(27~146mg/dl、60.4mg/dl、58.0mg/dl):rs=0.378、γ-GPT(8~892IU/l、52.2IU/l、37.0IU/l):rs=0.354、最高血圧(90~180mmHg、129.2mmHg、130.0mmHg):rs=0.202、最低血圧(50~120mmHg、81.0mmHg、80.0mmHg):rs=0.187、尿酸(0.5~9.8mg/dl、5.7mg/dl、5.7mg/dl):rs=0.275、総コレステロール(75~339mg/dl、206.0mg/dl、205.0mg/dl):rs=0.100、以上(P<0.01 )、血糖(71~260mg/dl、95.7mg/dl、90.0mg/dl):rs=0.107、LDLコレステロール(29~228mg/dl、119.0mg/dl、116.0mg/dl):rs=0.099、以上(P<0.05 )、HbA1c(3.9~9.8% 、5.2% 、5.0%):rs=0.015(有意差なし)であった。【結論】腹囲の増加に比例してBMI、中性脂肪、GOT、GPT、HDLコレステロール、γ-GPT、最高血圧、最低血圧、尿酸、総コレステロール(以上P<0.01)、血糖、LDLコレステロール(以上P<0.05 )の順に有意に異常を認めた。HbA1cには有意差を認めなかった。健診受診者にはHbA1cに異常を認めるほどの糖尿病患者は少ないと推測される。腹囲をメタボリックシンドロームの診断基準の基本とすることは妥当である。極論すれば、腹囲を男性85cm、女性90cm以下にコントロールすることで、かなりの生活習慣病が治癒する可能性が高く大きな医療費削減にもなると考えられる。すなわち、成人のみならず若年者の肥満対策も積極的に国家的事業として行うべきである。 |
| 索引用語 |
生活習慣病, メタボリックシンドローム |